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MLB

前年のサイ・ヤング賞投手が新天地で鬼神の活躍、リーグ間移籍で本塁打王が幻に...MLB夏の衝撃トレード史<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.07.31

●CC・サバシア
(インディアンス→ブルワーズ/2008年7月7日)

 前年にサイ・ヤング賞を受賞した超大物投手がトレードされたケースもある。198cm・136kgの巨体を生かしたパワーピッチングが持ち味のサバシアは、2007年にリーグ2位の19勝、同1位の241.0回を記録してインディアンス(現ガーディアンズ)の地区優勝に大きく貢献した。だが、球団からの契約延長を拒否。翌年、チームが低迷したこともあって放出はほぼ不可避となった。

 球界屈指の好投手を射止めたのは、意外にもスモールマーケット球団のブルワーズだった。本来なら手を出さないはずのレンタル移籍の大物に食指を伸ばしたのは、25年間も遠ざかり続けるプレーオフに何としても出場したいという意思の表れだった。7月7日、サバシアは4選手との交換でブルワーズへ移籍した。
 
 新天地でのサバシアは、『スポーツ・イラステレイテッド』誌から「史上最高の選手の一人」と呼ばれるほどの活躍を見せた。8月末までの11登板で9連勝。しかもこの間、何と6完投&3完封。さらにシーズンが佳境に入った9月下旬には、8日間の間に中3日で3先発して2勝を挙げた。

 サバシアの鬼神のごとき活躍でラストスパートをかけたブルワーズは、25年ぶりのプレーオフ進出に見事成功。そして、オフにFAとなったサバシアはヤンキースと7年1億6100万ドルの超大型契約を結ぶ。サバシアのミルウォーキーでの日々は、あまりにも濃密な2ヵ月間だった。
 
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