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MLB

前年のサイ・ヤング賞投手が新天地で鬼神の活躍、リーグ間移籍で本塁打王が幻に...MLB夏の衝撃トレード史<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.07.31

●マニー・ラミレス
(レッドソックス→ドジャース/2008年7月31日)

 ガルシアパーラ放出から3年後、レッドソックスはまたも球界屈指の強打者をデッドライン・トレードで放出している。その時点ですでに首位打者・本塁打王・打点王を1回ずつく獲得し、シルバースラッガーには9回も輝いていたマニー・ラミレスだ。

 04年と07年には世界一にも貢献したラミレスだが、その自由奔放すぎる性格ゆえにトラブルを起こすことも多かった。08年には公然と球団を批判し、移籍志願を繰り返したこともあり、ついにはパイレーツも絡んだ三角トレードでドジャースへと放出されてしまう。

 念願の移籍が叶って気分が乗ったのか、マニーは新天地LAで大爆発する。53試合で打率.396、17本塁打、OPS1.232とまるで漫画のような数字。ドジャースは地区優勝を果たし、マニーはポストシーズンでも8試合で4本塁打と打ちまくった。

 だが、これがマニーのメジャーでの最後の輝きだった。翌年5月にステロイド使用で50試合の出場停止処分を受けると、11年開幕直後にも再度薬物使用が発覚して現役引退を宣言した。その後は台湾プロ野球や日本の独立リーグなどを渡り歩いた。
 
●ジャスティン・バーランダー
(タイガース→アストロズ/2017年8月31日)

 実は、2018年までは7月末のトレード・デッドラインを過ぎた後も、ウェーバーというシステムを経由したトレードが可能だった。ポスシーズンに出場するには「9月1日に当該チームのロースターにいなければならない」という決まりがあるため、8月31日が“真のデッドライン”と位置付けられていた。

 そのウェーバー経由のトレードで移籍した“最後の超大物”が、現在も第一線で活躍するバーランダーだった。

 当時、すでに最多勝2回、サイ・ヤング賞1回と実績を残していたバーランダーだが、17年は所属するタイガースが低迷。一方、アストロズは圧倒的な強さでア・リーグ西地区を独走していたが、1961年の球団創設以来の世界一を果たすため「プレーオフで勝てる投手」を探していた。

 そこで白羽の矢が立ったのがバーランダーだった。8月31日、1対4のトレードでアストロズに加わった豪腕は、残りシーズン5戦5勝、防御率1.06と圧巻の投球。ポストシーズンでも6登板(5先発)で4勝、防御率2.21と好投、リーグ優勝決定シリーズではMVPに輝くなど、まさに期待通りの活躍でヒューストンに初の王座をもたらしたのだった。

構成●SLUGGER編集部
 

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