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高校野球

【夏の甲子園】アマ野球ライターが厳選する注目株は? 元中日選手を父に持つ左腕、打率.762の主砲ら一挙紹介

西尾典文

2023.08.04

■注目の野手

●熊谷陽輝(北海3年・一塁手)
 下級生の頃からエースでU18侍ジャパン候補にも選ばれていたが、右肘の故障もあってこの夏は背番号3で主にファーストで出場。6試合で打率.762、5本塁打、13打点と圧倒的な成績を残して打者としての能力の高さを示した。少しバットを短く持ってコンパクトに振り出すが、強いリストで遠くに飛ばすことができる。コースに逆らわずに右方向に打てるのも持ち味で、パワーだけでなくバットコントロールも光る。ピッチング、バッティング両方に注目したい逸材だ。

●山田脩也(仙台育英3年・遊撃手)
 昨年夏も不動のショートとしてチームの甲子園優勝に貢献。軽快なフットワークと投手としても140キロを超える強肩は高校生ではトップクラスだ。課題だった打撃の力強さも選抜以降に大きく向上。この夏は6割を超える打率を残し、ホームランも放つなど長打力がアップしたところも見せた。5試合で6四死球、5盗塁をマークしているようにしぶとさと脚力があるのも持ち味だ。甲子園でも攻守にわたる活躍に期待がかかる。
 
●横山聖弥(上田西3年・遊撃手)
 今年の春から夏にかけて急浮上してきた大型ショート。高校入学後に身長、体重ともに大きく伸び、均整のとれたたくましい体格で攻守の力強さも大幅にアップした。特筆すべきはその強肩で、投手としても最速149キロをマークし、ファーストまで低い軌道で一直線に届くスローイングは迫力十分。打撃も長野大会で2試合連続ホームランを放ち、7安打中6本が長打と長打力も見せつけた。甲子園の活躍次第ではドラフト上位指名の可能性も十分あるだろう。

●百崎蒼生(東海大熊本星翔3年・遊撃手)
 東海大相模で1年秋からレギュラーとして活躍していたものの、2年春に退学して東海大熊本星翔に転校。1年間の対外試合禁止期間を経て、この夏が最初で最後のアピールの場となったが、見事な活躍でチームを甲子園出場に導いた。巧みなリストワークで広角に鋭い当たりを放ち、スタンドへ放り込む力もある。走塁の判断と加速の良さも見事だ。熊本大会直前に自打球を当てた影響で守備は本来の動きではなかっただけに、甲子園ではしっかり治してショートとしても軽快なプレーを見せてくれることを期待したい。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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