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MLB

2年連続で二刀流選手をドラフト1巡指名する球団も――“ネクスト大谷”育成は「不可能に近い夢」から「実現可能な目標」へ<SLUGGER>

城ノ井道人

2023.08.12

 エルドリッジは高校生ながら身長2メートル、体重100キロを超える体格から90マイル台半ばの速球とスライダーを投げ、打撃では長打力、一塁守備でも軽快な動きを見せる金の卵だ。アメリカ代表として参加した昨年9月のU-18ワールドカップ決勝戦では、チャイニーズ・タイペイ戦で試合を決定づける3ランを放つと、ラスト1イニングはマウンドに立って無失点で締める活躍で大会MVPに選ばれた。

 そして付いた愛称がずばり“アメリカン・オータニ”。本人は「最高にクールだ。彼は高いレベルで二刀流を成功させた唯一の選手で、それを可能だと証明してくれた。誰かにグラブかバットを置けと言われるまで二刀流を続けるつもりだ」と“ネクスト大谷”に名乗りを上げている。

 ドラフト直後に契約400万ドル(約5億6000万円)で正式に入団が決まり、ルーキーリーグでのプレーを始めたばかりで、初めてライトに挑戦している。注目される登板だが肩の消耗を考慮して当面は見合わせる見込みで、本格的な二刀流挑戦は来季になりそうだ。
 来年のドラフトではフロリダ大のジャック・カグリアノーンという左投手/一塁手の注目株がいる。2年生ながら大学1部リーグ最多の33本塁打、18先発して7勝4敗、防御率4.34を残しており上位指名が確実視されている。ちなみに愛称は“ジャックタニ”で、怪しげなオリジナルTシャツも販売されている。

 クロフォード、エルドリッジ、カグリアノーン。次々と現れる、そしてこれからも現れるであろう“ネクスト大谷”候補者の中で、最初にメジャーで二刀流を成功させるのは誰になるのだろうか?

文●城ノ井道人

【著者プロフィール】
しろのいみちと。会社勤めの後、渡米してMLB記者として全米を飛び回る。。日米問わず若手有望株への造詣が深く、仲間内で「日本版ファンタジーリーグ」を毎年開催し、次代のスター発掘に余念がない。
 
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