もっとも、そんな利点がある半面、カブスの本拠地リグリー・フィールドは他球団に比べるとデーゲームが多く、これが結構、選手への負担になると言われている。特に、ナイトゲーム翌日のデーゲームは調整が難しいとされる。
デーゲームが多いのは、リグリー・フィールドが住宅街のど真ん中に位置していて、試合開催時は飲酒した観客の無軌道な行動などの不可避な問題を抱えているためで、近隣住民グループやシカゴ市との合意でナイトゲームの開催数が、年間43試合程度しか開催できない決まりになっている他の本拠地が年平均で55試合前後のナイトゲームを行うのに比べると、かなり少ない。
例えば、今年の9月4日~8日までの5日間は毎日、デーゲームとナイトゲームが交互に開催されていた。DH専任ならさほど問題はないだろうが、投手を兼任する再来年以降は登板間の調整などで悪影響が出るかもしれない。
もっとも、大谷を獲得するからには、カブスも「投打二刀流」のアドバンテージを最大限に生かすために全力を尽くすだろう。先発間の投球練習日がナイトゲーム明けのデーゲームになった時には、ノースロー調整を含む選択肢を用意するだろうし、シカゴは試合が雨天中止になるのも珍しくないので、そういう時にはローテーションの「前倒し」よりも、「普段よりも1日多い休み」が与えるなど、柔軟性を持って対処すると思われる。
最も大事な問いは、カブスが「9月になってもヒリヒリした戦い」ができるチームかどうかだろう。
カブスは今季、残り1試合=161試合目までプレーオフを懸けて戦った。その原動力となったのは、冒頭に挙げたベリンジャー(26本塁打、OPS.881、20盗塁)で、彼がこのままFAで流出すれば、大きな穴が開くことになる。 一方で、鈴木はリーグ15位のOPS.842を記録するなど、さらなる飛躍を予感させながらシーズンを終えたし、ともにゴールドグラブを受賞したニコ・ホーナー(9本塁打、OPS.729、43盗塁)とダンズビー・スワンソン(22本塁打、OPS.744、9盗塁)の二遊間コンビは、来季も攻守の柱となる。
ベリンジャーが抜けた場合、センターには若手有望株の「PCA」ことピート・クロウ=アームストロングが入る見込み。今季はメジャー14打席で無安打に終わったものの、マイナー2階級で20本塁打、OPS.876、37盗塁と潜在能力は十分。2年目を迎える彼が期待通りにブレイクすれば、貴重な左打者イアン・ハップ(21本塁打、OPS.791、14盗塁)や前出の鈴木、ホーナー、スワンソンらとともに「機動力も備えた強力打線」を形成することになる。
ベリンジャー流出でもう一つ、穴埋めしなければならないのが一塁だが、こちらは内野でも外野でも守備に難があり、DHとして起用されることが多かったクリストファー・モレル(26本塁打、OPS.821)が埋めるという(現在、冬季リーグで一塁に挑戦中だ)。モレルや他の有望株を「トレード要員」として、メッツのピート・アロンゾ(46本塁打、OPS.821)を獲得するのでは? という都合の良い噂話も飛び交っていて、それはもう一つの懸案事項である三塁にブルージェイズのボー・ビシェット遊撃手をコンバートさせるという妄想と一緒で、「なくもない話」に過ぎない。
補強が必要なのは、打線だけではない。
先発陣では、マーカス・ストローマン(10勝9敗、防御率3.95)がオプトアウト(≒契約解除】条項を発動してFAとなった。現時点での先発ローテはサイ・ヤング賞候補にもなった左腕ジャスティン・スティール(16勝5敗、防御率3.06)、今季は不調だったジェームソン・タイオン(8勝10敗、防御率4.84)、ベテラン技巧派のカイル・ヘンドリックス(6勝8敗、防御率3.74)、WBCメキシコ代表ハビア・アサード(5勝3敗、防御率3.05)、左腕のドリュー・スマイリー(11勝11敗、防御率5.00)の5人となる。
デーゲームが多いのは、
例えば、今年の9月4日~8日までの5日間は毎日、デーゲームとナイトゲームが交互に開催されていた。DH専任ならさほど問題はないだろうが、投手を兼任する再来年以降は登板間の調整などで悪影響が出るかもしれない。
もっとも、大谷を獲得するからには、カブスも「投打二刀流」のアドバンテージを最大限に生かすために全力を尽くすだろう。先発間の投球練習日がナイトゲーム明けのデーゲームになった時には、ノースロー調整を含む選択肢を用意するだろうし、シカゴは試合が雨天中止になるのも珍しくないので、そういう時にはローテーションの「前倒し」よりも、「普段よりも1日多い休み」が与えるなど、柔軟性を持って対処すると思われる。
最も大事な問いは、カブスが「9月になってもヒリヒリした戦い」ができるチームかどうかだろう。
カブスは今季、残り1試合=161試合目までプレーオフを懸けて戦った。その原動力となったのは、冒頭に挙げたベリンジャー(26本塁打、OPS.881、20盗塁)で、彼がこのままFAで流出すれば、大きな穴が開くことになる。 一方で、鈴木はリーグ15位のOPS.842を記録するなど、さらなる飛躍を予感させながらシーズンを終えたし、ともにゴールドグラブを受賞したニコ・ホーナー(9本塁打、OPS.729、43盗塁)とダンズビー・スワンソン(22本塁打、OPS.744、9盗塁)の二遊間コンビは、来季も攻守の柱となる。
ベリンジャーが抜けた場合、センターには若手有望株の「PCA」ことピート・クロウ=アームストロングが入る見込み。今季はメジャー14打席で無安打に終わったものの、マイナー2階級で20本塁打、OPS.876、37盗塁と潜在能力は十分。2年目を迎える彼が期待通りにブレイクすれば、貴重な左打者イアン・ハップ(21本塁打、OPS.791、14盗塁)や前出の鈴木、ホーナー、スワンソンらとともに「機動力も備えた強力打線」を形成することになる。
ベリンジャー流出でもう一つ、穴埋めしなければならないのが一塁だが、こちらは内野でも外野でも守備に難があり、DHとして起用されることが多かったクリストファー・モレル(26本塁打、OPS.821)が埋めるという(現在、冬季リーグで一塁に挑戦中だ)。モレルや他の有望株を「トレード要員」として、メッツのピート・アロンゾ(46本塁打、OPS.821)を獲得するのでは? という都合の良い噂話も飛び交っていて、それはもう一つの懸案事項である三塁にブルージェイズのボー・ビシェット遊撃手をコンバートさせるという妄想と一緒で、「なくもない話」に過ぎない。
補強が必要なのは、打線だけではない。
先発陣では、マーカス・ストローマン(10勝9敗、防御率3.95)がオプトアウト(≒契約解除】条項を発動してFAとなった。現時点での先発ローテはサイ・ヤング賞候補にもなった左腕ジャスティン・スティール(16勝5敗、防御率3.06)、今季は不調だったジェームソン・タイオン(8勝10敗、防御率4.84)、ベテラン技巧派のカイル・ヘンドリックス(6勝8敗、防御率3.74)、WBCメキシコ代表ハビア・アサード(5勝3敗、防御率3.05)、左腕のドリュー・スマイリー(11勝11敗、防御率5.00)の5人となる。