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プロ野球

【ブレイクスルーの舞台裏】“清宮・安田世代”の出世頭。村上宗隆が本塁打を量産できたワケ

山本祐香

2019.12.23

 では、アウトコースへの対応はどうだろうか。

 8月22日の広島戦、2回無死走者なし、カウント1-1の場面。山口翔が投じた外角低めの直球を村上はバックスクリーン左まで持っていった。厳しいインコースを上手く引っ張れるだけではなく、アウトコースも逆らわず打つことができるため、このような逆方向への強い打球が多い。

 村上が放つ本塁打はどれも芸術的で観る者を魅了するが、今季一番記憶に残った本塁打に8月12日のDeNA戦を挙げる人も多いだろう。

 4連敗で迎えた神宮球場でのことだ。
 
 3-4の1点ビハインドで迎えた9回裏、無死一塁の場面で、マウンドにはDeNAの守護神・山崎康晃。山崎が投じた初球、狙っていたのかここでも村上は迷いのないスイングを見せた。独特の軌道で落ちるツーシームを捉え、打球はそのままバックスクリーンへ。今季第25号、連敗を止めたこの2点本塁打は、19歳6カ月と史上最年少での劇的な逆転サヨナラ本塁打となった。
 
 熊本県出身の村上は、来季、本塁打を打つたびに、16年4月の熊本地震で被災した熊本城の復旧支援金を寄付すると発表した。今季、これだけの結果を残した村上にはさらなる厳しい攻めが待っているだろうが、選球眼の良さ、頭の良さ、センスの良さ、ハートの強さと、19歳にして必要なものはすでに兼ね備えているので、どんな壁が立ちはだかろうとも必ず攻略法を見つけ出すはずだ。

 守備力の向上やセ・リーグ記録となったシーズン184三振を減らすことなど、今後の課題もあるにせよ、バレンティンがソフトバンクに移籍したことで、来季はより村上に打点を稼いでもらう必要がある。

 課題を気にしすぎて本来の良さを失っては元も子もない。高卒3年目の来季も、自分のために、チームのために、そして熊本のために、迷いのないフルスイングで本塁打を量産し続けて欲しい。

文●山本祐香
 

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