土生自身も、この1年での自らの投球に対する考え方の変化を強く感じている。
「ストレート(の球速)も上がりましたし(茨城の1年で)技術的にも一段上に上がれたと感じていますが、一番は考え方が変わったことで、前よりバッターを見られるようになったこと。そこが結果につながったと思っています。以前は『こうしなければ』と自分にベクトルが向いていたのですが、試合を重ねて行く中でバッターを見て「何を狙っている」とか「このカウントなら(バッターは)ここを狙うかな」とか、相手を観察できるようになったので、そこは変わったと思います」
アストロプラネッツは20年オフから就任した色川冬馬GMの下、選手個々が目標とするNPB入りに向け、技術やフィジカル強化だけでなく、考える力を養うプログラムにも力を入れるなど、数多くある独立リーグのチームの中でも独創的な選手育成を行っている。
「チームとしては『回答ができないことを許さない』という厳しさを選手たちに課してきました。『はい、いいえ』という答えではなく『自分はこうしたい』と言えないといけないということですね」(色川GM) 選手と首脳陣が定期的に面談を行い、選手個々の現在地を確認しながら、NPB入りという目標に向けて自らの意思を示し、そこに向けて何をすることがベストなのかを共に探っていく。その結果、当初は先発だった土生も、ドラフト戦略と適性を考慮し、8月からはリリーフに転向。巨人三軍との試合でさっそく好結果を残した。
自らがぶつかった壁に正面から向き合い、その壁を数多く乗り越えた土生翔太。その結果が夢だったドラフト指名へつながった。
そして土生には、心強い味方もいる。茨城でバッテリーを組み、同じ夢へ向かって進んでいた高卒1年目捕手・日渡騰輝も中日から育成1位指名を受けたのだ。
年齢は離れている2人だが、いつかは一軍でバッテリーを。そんな野球漫画のようなストーリーが見られる日を今から楽しみに待ちたい。
取材・文●岩国誠
著者プロフィール
いわくにまこと:1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。
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「チームとしては『回答ができないことを許さない』という厳しさを選手たちに課してきました。『はい、いいえ』という答えではなく『自分はこうしたい』と言えないといけないということですね」(色川GM) 選手と首脳陣が定期的に面談を行い、選手個々の現在地を確認しながら、NPB入りという目標に向けて自らの意思を示し、そこに向けて何をすることがベストなのかを共に探っていく。その結果、当初は先発だった土生も、ドラフト戦略と適性を考慮し、8月からはリリーフに転向。巨人三軍との試合でさっそく好結果を残した。
自らがぶつかった壁に正面から向き合い、その壁を数多く乗り越えた土生翔太。その結果が夢だったドラフト指名へつながった。
そして土生には、心強い味方もいる。茨城でバッテリーを組み、同じ夢へ向かって進んでいた高卒1年目捕手・日渡騰輝も中日から育成1位指名を受けたのだ。
年齢は離れている2人だが、いつかは一軍でバッテリーを。そんな野球漫画のようなストーリーが見られる日を今から楽しみに待ちたい。
取材・文●岩国誠
著者プロフィール
いわくにまこと:1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。
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