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プロ野球

立浪竜の迷走、日本ハム新球場開場、そして岡田阪神の「A.R.E.」達成...【2023年プロ野球10大ニュース】<SLUGGER>

藤原彬

2023.12.30

阪神は実に38年ぶりの日本一を達成した。写真:野口航志

阪神は実に38年ぶりの日本一を達成した。写真:野口航志

 侍ジャパンのWBC優勝に沸く中で開幕を迎えた2023年シーズンは観客動員も好調で、大きく盛り上がった。10大ニュースとともに、改めて1年間を振り返ってみよう。

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■10位:球場に声援が戻り、観客動員大幅アップ
 コロナ禍により制限を受けていた「声出し声援」が、今季から4年ぶりに解禁。3月の侍ジャパンWBC制覇も追い風になり、セ・パ両リーグともに観客数は前年から200万人以上も増加した。1試合平均で4万1064人が入場し、セの1411万9723人とパの1095万446人は、ともに過去最多を記録した2019年と大差ない数。優勝した阪神は主催試合で12球団最多の291万5528人を動員し、オリックスとロッテは球団史上最多を更新して、日本ハムも新球場効果により前年から60万人近くも増やした。

■9位:FA移籍の近藤が三冠王を争う活躍
 昨オフに日本ハムからソフトバンクへFA移籍した近藤健介が、7年50憶円超とも言われる超大型契約の正当性を示した。自己最多(11本)を大きく更新する26本塁打を放ち、87打点を記録して二冠を獲得。シーズン最終戦まで首位打者争いを展開し、三冠王まであと一歩に迫った。12球団で誰よりも多い109四球を選び、出塁率.431と長打率.528、OPS.959でリーグベスト。バットでの貢献にとどまらずレフトの守備でも好守を連発、総合指標WAR8.3は12球団全選手でダントツの数字だった。

■8位:“令和の米騒動”に晒し投げ...立浪竜の大迷走
 球団初の2年連続最下位に沈んだ中日。低迷ぶりだけでなく、就任2人目の立浪和義監督による時代遅れの施策が多くの話題を振りまいた。8月には「選手の動きが鈍くなる」として、試合前の食事会場で白米提供を禁止する“令和の米騒動”が勃発。選手は「米なしCLUB」と自虐した。同月のホームゲームでは6点差をつけられた9回、2年ぶりに一軍へ昇格したばかりの近藤廉が打ち込まれるのを放置し、1イニング10失点、62球も投げさせる「晒し投げ」が話題に。この件については、相手先発のバウアーや球界OBら方々の関係者から非難の声も上がった。
■7位:球界を代表するスラッガーの醜聞
 球界内外に大きな衝撃を与えるスキャンダルだった。5月11日、WBCにも出場した山川穂高(西武)に性的暴行疑惑が浮上。本人は直後に一軍登録抹消となり、球場と周辺から本人掲示のポスターや掲示物などがすぐさま撤去された。その後、事情聴取を経て不起訴処分とされたが、一軍への復帰はかなわぬまま。フェニックス・リーグで実戦復帰を果たした後、FA権を行使して、西武ファンからの激しい批判を浴びながらソフトバンクと4年契約を結んだ。本塁打王3回、打点王1回のスラッガーは、来季以降も茨の道を歩むことになりそうだ。

■6位:現役ドラフトで新天地へ移った2人の活躍
 出場機会に恵まれない選手にチャンスを与える目的から2022年オフに初めて行われた現役ドラフト。迎えた今シーズン、2人の選手が新天地で躍動した。ソフトバンクから阪神に移籍した大竹耕太郎は4月8日の移籍初登板で約2年半ぶりの勝利を挙げると、5月には月間MVPを受賞。12勝2敗、防御率2.26の好成績で日本一の原動力になった。DeNAから中日に移った細川成也は、日本人では球団13年ぶりの20本塁打クリア。大竹ともども球宴にも選ばれ、和製大砲育成が最重要課題だった打線の中軸に座った。

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