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プロ野球

「ロッテに外野手のレギュラーは一人もいない」西武では“守備の人”だった愛斗の打撃覚醒で世代交代は進むか?

THE DIGEST編集部

2024.02.04

 現役時代の大塚コーチは、その堅守でマリンスタジアムのセンターを守り、2005年の日本一に大きく貢献している。そんな”元守備の名手”が高評価を与えるのだから、愛斗の守備力はロッテにとって大きな武器になるだろう。ただ、こんな話しもしてくれた。
 
「今のロッテは外野手のレギュラーが一人もいない。チームがAクラスだったから『伸びしろがある』とか『競争が激しい』とか書いてくれているけれども、Bクラスだったら否定的な捉え方をされていると思う。裏を返せば『(レギュラー獲りへ)いつまでかかっているんだ』って。(荻野や角中など)おじさんたちがまだ穴を埋めてくれている状態で、若い奴がもっとバーンってレギュラーを獲ってくれないといけないよね」

 去年の外野手スタメン起用を見てみると、最多スタメン出場は藤原恭大(23)がセンターで88試合。その次となると、ライトで49試合出場の荻野貴司(38)となり、大塚コーチの言葉通りの数字が残っていた。ちなみにレフトの最多は46試合出場の角中勝也(36)だった。

 守備力の評価が高い愛斗だが、去年の入団会見で吉井理人監督は、獲得理由の初めに「一番は長打力があること」と話していた。担当分野ではない大塚コーチも守備以外に「小ヂカラがある」と打撃の長所を語っている。

 そんな愛斗が、村田修一一軍打撃コーチや栗原健太二軍打撃コーチなど、右の長距離砲として所属チームで4番を務めた経験を持つコーチ陣の下で、何かきっかけを掴むことができれば、自ずとレギュラーへの道も見えてくるはずだ。

 プロ9年目とはいえ、まだ26歳。西武時代は「守備の人」だった愛斗が、新天地で打撃覚醒することができれば、ロッテ外野陣の世代交代が劇的に進むかもしれない。そうなれば、チームの前にここ数年立ちはだかってきた“2位”という大きな壁を易々と越えていけるはずだ。

取材・文●岩国誠

【著者プロフィール】
岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。
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