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プロ野球

吉井監督を縁の下で支える黒木知宏・一軍投手コーチ。かつてのエース右腕が古巣復帰2年目に描く「投手陣の底上げ」とカギを握る「5人の投手コーチ」とは?【ロッテ】

岩国誠

2024.02.15

若手に指導する黒木1軍投手コーチ(左)。他のコーチとも情報の共有を図る。写真:岩国誠

若手に指導する黒木1軍投手コーチ(左)。他のコーチとも情報の共有を図る。写真:岩国誠

 そんな中、キャンプ序盤では嬉しい悩みを抱えていた。

「いやー、今年は大変ですよ。だって、(投手)みんな良いんですもん。開幕を勝ち取ろうと一生懸命やって来ている選手たちの気持ちを思いながら、ちゃんと接していかないといけないなって思いますし、そういう苦しみっていうのが、このキャンプとオープン戦ではありますね」

 昨年2位となったロッテだが、チーム防御率3.40はリーグ5位だった。この数字をどう受け止めているのか。

「防御率が悪いというところの原因として、下位打線に対するフォアボールから失点につながっているということがひとつあります。それは選手たちも分かっていることですが、そういう(失点につながる)材料をどんどん出していきながらということは考えています」

 防御率の改善を考える一方で、こういう見方もしているという。

「防御率が悪かったとしても、(2位という順位は)勝ち星をもぎ取っているということですよね? だから、そこ(数字)ばかりに拘ってやらないといけないとは、僕はあまり思っていないです。ただ、勝てる時や勝たないといけない時、リードしている時に絶対に追いつかれないっていうような強さを作っていければ、勝ち星を取れる可能性も高くなると思っています」

 去年、その接戦での終盤でしっかり仕事をしていたペルドモはメジャーへ復帰。チーム2位の53試合に登板したリリーバーの穴はどう埋めていくのか。

「ないものねだりをしてもしょうがないですし、そこのポジションを誰が勝ち取っていくのか。もしくはみんなでカバーし合うとかね。それがチームだと思います。チーム一丸となって、そこにまとまれるような輪を作っていきたいなと思っています。正直、みんなかわいいです。でも、やっぱり開幕一軍は15、6人とかになると思うので、その投手たちが1年間回れるのかを、ちゃんと見ていかないといけない」
 
 まさにチーム一丸として行なって来た石垣島キャンプだが、13日からは練習試合に出場する沖縄・糸満組と石垣島残留組の2班に分けられた。いよいよ始まる開幕一軍への切符をかけたサバイバル勝負。2年目を迎える黒木コーチがどんな投手陣を形成していくのか。開幕までの残り1か月に注目したい。

取材・文●岩国誠

【著者プロフィール】
岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。

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