専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

【DeNA】 “ハマのサブマリン”・中川颯が描く地元への恩返しストーリー「良いメンタルで野球ができています」

萩原孝弘

2024.02.23

☆ピッチングにも手応え

 肝心のピッチングでも、すでに紅白戦や練習試合で実戦登板を果たし「高低をうまく使って、緩急もつける」自らのスタイルで未だに無失点と結果も残している。「本当に日に日に良くなってきています。(キャンプ)最初の時よりも、自分の思い描いたようなピッチングができてきました」と笑顔。「まだ完全ではないですけど、これからも少しずついい方向に調整できればいいなと思います」とじっくりと歩みを進めていくとした。
 
 また変則フォームながら「交わすピッチングではなく、真っすぐの強さを武器にしていきたい」との信念を持つが「結構感触はいい手応え」とオフに大阪で行った自主トレでの増量の効果も実感。「シーズン近づくにつれて、もっと、もう1個押せるようになっていけばいいかなと思います」と更なるブラッシュアップを図ると公言した。

 DeNAの特色でもあるデータ分析には「細かくは言われてないですけど、コミュニケーション取りながら、うまくやっていければいいかなと思います。どの高さが有効なのかっていうのは、定期的に話するようにしています」と有効利用を目論む。

 しかし「上から投げるピッチャーの方よりは参考にならない部分もあると思います。バッターによって反応は違いますし、僕はパターンにはめるというよりは、僕がバッターに対応していくみたいな感覚でやる感じですね。そこはやっぱり臨機応変に対応していくのが自分の強みだと思っているので、そこは大事にやっていければいいと思います」とアンダースローならではの希少性と、自ら積み上げた経験を元にピッチングで勝負していくイメージを思い描く。

 移籍1年目の今シーズンに指揮官は「今のところ先発の予定です。打者がすごいいい反応していますし、本当にウチにいないタイプの投手なので、いろいろな可能性が拡がるなと思っています」とローテーション入りを期待しているとキッパリ。

 それでも本人は「まず開幕一軍を掴んで、1年間一軍の戦力になることですね」とまずは足下を見つめる。続けて「先発でも中継ぎでも、どっちでも対応できるようには心の準備はいつでもしてるんで。しっかりチームに貢献できるように頑張りたいです」と謙虚な姿勢は崩さないが、その目には自信も垣間見えた。

 愛するチームのユニホームを着て果たすリ・スタート。“ハマのサブマリン”の恩返しストーリーは、もう始まっている。

取材・文●萩原孝弘

【動画】美しいサブマリン! 新戦力・中川颯が中日相手に三振を奪う!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号