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プロ野球

【DeNA】攻守のコーチ陣も絶賛!「目の前の獲物に喰らいつく」2年目のドラ1捕手・松尾汐恩が“虎化”で狙う扇の要の座

萩原孝弘

2024.03.22

石井チーフ打撃コーチ、相川バッテリーコーチも松尾の急成長には目を見張る。写真:萩原孝弘

石井チーフ打撃コーチ、相川バッテリーコーチも松尾の急成長には目を見張る。写真:萩原孝弘

 とはいえ、キャッチャーは経験がモノをいうポジションだ。相川バッテリーコーチは、ファームで出場機会を増やす選択肢もあるとは言うが、「それで技術の部分であれば当然成長はしますけど、一軍で出ないと間違いなくキャッチャーとしての成長っていうのは別物だと思っています。一軍でシーズン中のゲームに出ていかないと、“そこ"の成長は0と言っていいぐらいかなと思います」と持論を展開する。
 
 具体的には「一番キャッチャーとしてやらなきゃいけないことは状況判断のところなんです。それがしっかりできれば、リードや配球、いろんな意味でいい方向に向かえるんで」と分析した。続けて「今は何が優先なのかが重要」とし「バッターばかりを見ていたり、またはバッター一本でいい時にランナーを気にしてみたりとか、とんちんかんなことをやられると、なかなか起用することが難しくなってきてしまう」と、まず捕手としてのベーシックな感性を磨かないと、レギュラー取りどころかチーム内競争のスタートにも立てないと説いた。

☆レギュラーを獲るために

 本人も「自分の一つのアピールポイントであるバッティングで、まずは結果を出さないといけない」としながらも「それよりもやっぱり、去年から課題にしている守備面っていうところは、よりアピールしないといけないところですね。 そこをしっかりまずは見てもらわないとやっぱり勝負できないと思います。そこの部分の成長がまずは第一優先で、その後にバッティングに繋げていきたいですね」と相川コーチとベクトルは一致。

 今週にはキャッチャーのライバルである戸柱恭孝と東妻純平がファーム行きとなり、目標の一つであった開幕一軍も見えてきたが「まだ開幕してみないとわからないです」と浮かれた様子はない。いまは「モヤモヤした気持ちを持たずに、自分のやるべきことをしっかりやっていきながら、与えられたチャンスを掴み取りたいなって常に思っています。これからも同じ気持ちでやっていきたいです」と地に足のついた言葉が口を衝いた。

 「打てて守れて走れる」。入団時に設定したニュータイプのキャッチャーになるために、19歳は“虎"のような鋭い爪と牙を、今日も研ぎ続ける。

取材・文・写真●萩原孝弘

【動画】DeNAのドラ1捕手・松尾汐恩が中日右腕・フェリスからクリーンヒット
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