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プロ野球

こたつでみかん!? 楽天の独創的なファンサービスは、笑顔と感謝が行き交う場所

松山ようこ

2019.12.26

ファン感謝祭が終わった後のスタジアムは、まさに“祭りのあと”という感じだ。撮影:松山ようこ

ファン感謝祭が終わった後のスタジアムは、まさに“祭りのあと”という感じだ。撮影:松山ようこ

●ハーバード大出身ハーマンの野球解説、ブセニッツのわるーい日本語

 外国人選手はシーズンが終わると帰国するため、残念ながら不参加。その代わりに、担当通訳がステージに駆り出されてトークショーを行っていた。いつも外国人選手の話しを日本語にして伝える球団通訳は、身の回りの世話に至るまで誰よりも多くの時間をともに過ごす。出てくる“裏話”は、多くのファンを釘付けにした。

 例えば、ハーバード大学出身で話題を呼んだハーマンは、野球用語を日本語でかなりマスターしているとか。通訳の佐野氏いわく、「右方向、左方向、ゲッツーなど、普通に使っています」。かなり貪欲に学んでいるようで、耳にするたびに「どういう意味だ」と聞いてくるのだとか。

 さらに、「引退したら自分は解説はできるよ。日本で1試合ぐらい担当させてもらいたいな」と話していたそうで、集まったファンを大いに沸かせた。頭脳明晰なハーマンの新解説をいつか聞きたいものだ。
 
 また、アメリカ・ジョージア州出身のナイスガイ、ブセニッツはなぜかケンカ言葉を習得中だとか。佐野氏いわく、「ケンカをふっかけるフレーズをたくさん知っているんです。選手に聞きまくって覚えてるみたいで。このあいだも、則本選手にわざとぶつかりに行って、『やんのかコラ』って殴り合いコントみたいなやり取りをしていました」

 おかげで笑いも起きるし、コミュニケーションも深まるとのこと。ちなみに、最近覚えたのは「オモテデロ」だそう。ナイスガイの意外な一面に、会場は大笑いとなった。

 選手との距離がぐっと近くなるファン感謝祭は、準備も運営も、毎年スタッフ総動員で行われている。たくさんの選手にあちこちで会えるのも、一人ひとりにマネージャーとしてスタッフが付き、分刻みのスケジュールで選手が動いているのだ。

 選手はファンと近づくことでモチベーションが上がり、ファンはセンスとチームをさらに応援したくなる。幸福のサイクルがおきる楽天の「ファン感」だった。

【PHOTO】大盛り上がりの楽天ファン感の様子はこちら!

取材・文●松山ようこ
【著者プロフィール】
翻訳者・ライター。『SLUGGER』では笑撃ランキングなど面白ネタ収集を担当。インタビュー仕事も多く、野球選手はじめ幅広くスポーツ選手やさまざまな分野の著名人を取材する。

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