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プロ野球

【2019総括・楽天】Wエース離脱もブルペン陣の奮闘で5年ぶりのCS。真価を問われる石井GMの「中・長期的なチーム作り」

田口元義

2019.12.03

下馬評は低かったが2年ぶりのCS進出を果たした楽天。新加入のブラッシュの活躍も大きかった。写真:朝日新聞社

下馬評は低かったが2年ぶりのCS進出を果たした楽天。新加入のブラッシュの活躍も大きかった。写真:朝日新聞社

▶収穫と誤算

 開幕直前に則本昂大が右ヒジを手術し、開幕戦で岸孝之が左太腿裏を負傷。Wエースを欠いた楽天はBクラス候補と論じられていた。

 その予想を覆したのが救援陣の奮闘だった。今季セーブ王となった守護神の松井裕樹を筆頭に、宋家豪、ハーマン、ブセニッツの外国人トリオと森原康平で形成された「勝利の方程式」が機能。「3連投はさせない」などの綿密なブルペンワークによって、故障者を出さずフル稼働した。

 打線では、西武からFA加入した浅村栄斗、新外国人ブラッシュの「30発コンビ」が軸として固定されたことで厚みが出た。その2人に加えて銀次、島内宏明、茂木栄五郎も.350を超える出塁率を記録したことで、大技・小技と攻撃のバリエーションが増えた。前半戦で12球団トップの21度の逆転勝ちを収めたように、粘り強い戦いがCS進出へとつながったと言える。
 
 惜しむらくは、チームを2年ぶりのCSへと導いた平石洋介監督の解任だ。球団創設から選手、指導者として楽天を支え続けた“生え抜き”は、熱のある言葉と求心力でチームを統率してきた。

 ウォーミングアップから意識を集中させ、試合では「ミスを恐れず腹をくくって戦え」と鼓舞した指揮官の交代劇は、大きな波紋を呼んだ。石井一久GMは二軍監督の三木肇を一軍監督に昇格させ、コーチ陣も大幅にテコ入れした。

「中長期的なチーム作り」

 来季、その真価が問われる。
 
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