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MLB

「事実は小説より奇なり」。命がけで亡命を成功させたキューバ選手の仰天エピソード

宇根夏樹

2020.01.16

 亡命が成功するまでに何度も失敗することも珍しくなく、成功してもそれで終わりではない。現在は千葉ロッテに所属するレオネス・マーティンは、家族や友人とメキシコにたどり着いたものの、亡命をお膳立てした一味に家族が軟禁され、稼いだ金の3分の1以上を渡すことを約束させられた。12年にドジャースでデビューし、センセーショナルな活躍を見せたヤシエル・プイーグも似たような目に遭い、亡命を成功させた後もたびたび脅迫を受けていた。
 
 現在もホワイトソックスの主砲として活躍するホゼ・アブレイユは、亡命の際にいったんハイチへわたったが、そこから出国する際に用いた偽造パスポートをアメリカへ向かう飛行機の中で食べて証拠を隠滅した。

 ちなみに、福岡ソフトバンクのアルフレド・デスパイネも同じ“前科”を持ち、メキシカン・リーグ時代に偽造パスポートで選手登録していたが、これが亡命するためだったのかどうかは分かっていない。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
 

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