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MLB

西武育成ルーキーも感銘…「若手のために経験を還元したい」無名のマイナーリーガーはNPB入りを勝ち取れるか

THE DIGEST編集部

2025.01.31

テネロヴィッツは走塁面でも「チームにとって何が必要なのか」を考えてプレーすることを身上としている。写真:岩国誠

テネロヴィッツは走塁面でも「チームにとって何が必要なのか」を考えてプレーすることを身上としている。写真:岩国誠

 シアトル郊外などにある「ドライブライン・ベースボール(以下、ドライブライン)」は、ピッチングやバッティング動作のデータを測定して数値化し、映像による動作解析も行って、選手が自身の能力を理解した上で、改善点を見つけてパフォーマンス向上につなげているトレーニング施設だ。大谷翔平選手を始めとする多くのメジャーリーガーが利用していることで知られるが、近年ではNPBの選手たちも数多く足を運んでいる。
 
「元々の自分はバットスピードもなく、どういったアプローチをすればよいのか分からない選手でした。でも、ドライブラインで自分のバッティングが改善するカギを教わったことで、技術だけでなく選手としての考え方も大きくアップデートすることができました」

 シアトルに4年間住んでいたロビーは、オフになると連日ドライブラインに通い詰め、スタッフたちと共に、自身の打撃データや動作と向き合い、今のバッティングを作り上げてきた。そのため、調子が落ちた場合でも、自身の打撃データからその原因を読み解き、修正へのアプローチが取れるだけでなく、そのための練習方法もドライブラインで数多く学んできたというのだ。

「その4年間は本当に入り浸って、自分の能力を上げるためのトレーニングを全部やり切ったので、選手のパフォーマンスを上げるためにドライブラインで行なっている練習は全部知っているって言えるくらいの自信はあるし、ヒッティングメニューは全部説明できますよ」

 驚かされたのは、自分が必死になってドライブラインで学んできたであろう知識や練習方法を、ロビーは自らの練習時間を削ってまで、参加していた若い選手たちに惜しげもなく伝えていたことだ。特にその言葉を熱心に聞いていたのが、西武の育成ルーキー・谷口朝陽(20)だった。

「ロビーのドライブラインの話を聞いて『ぜひ教わりたい!』と思って、何度も質問していました。練習や試合の打席も見てくれて、僕が英語ができないにもかかわらず、『こうやってみたらいいよ』と熱心にアドバイスをしてくれるのですが、本当に僕のことを考えてくれていることが伝わってきて、とてもありがたいです」

 期間中は、室内練習場で2人が一緒に練習する姿をよく見かけた。多くの時間をロビーと一緒に過ごすことで、谷口はドライブラインの練習方法だけではなく、様々な気づきを得ていた。

「走塁もそうですが、内野ゴロひとつでも常に全力で行なっていますし、一緒にプレーしていて野球への思いの強さをものすごく感じました。あとは、人への気配りの部分もすごいなと感じることが多くて、僕もそういうことが当たり前にできるようになりたいと思いました」
 
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