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プロ野球

選手兼コーチの亀澤恭平が早くも一仕事!琉球ブルーオーシャンズにもたらした守備の“イズム“

岩国誠

2020.01.28

バックトスの練習で一声かけると選手たちの動きは格段に良くなった。写真:岩国誠

バックトスの練習で一声かけると選手たちの動きは格段に良くなった。写真:岩国誠

 遊び感覚で楽しみながらも、大切なポイントは簡潔にしっかり伝えて、実際に理解させる。去年まで現役選手だった亀澤が、こうしたコーチングができる理由は、やはりこれまでの経験が糧となっている。

「僕が指導を受ける立場だった時、そういうポイントに気づけたのが独立リーグにいた時で、当時は『高校とか大学の時に、これに気づけていたらもっと早くプロに行けたんじゃないか。言葉の伝え方って絶対大事だな』って思ったんです。なので今は『俺、こうやって教えてもらいたかったのにな』っていうやり方で、若い選手たちには伝えるようにしています」
 
 指導を受けた繁田は「指導された部分を変えただけで、いい動きになりました!」と、目を輝かせると、宮城は「キャッチボールで教わったこと(ボールの衝撃を吸収する捕球)を試したら、スムーズに持ち替えられて、びっくりしました」と、それぞれ効果を実感していた。

 すでに指導者としての高い素養を感じさせる亀澤だが、肩書きは選手兼任。ノック打ちや打撃投手、走塁指導の合間に、選手として自ら練習も怠らない。プレイヤーである以上、松尾大河(元DeNA)や他のトライアウト組にポジションを譲るつもりはない。

 NPB入りを目指す若い選手たちの前に立ちはだかる高い壁。自らが指導する金のたまごたちが己を超えるその日まで、経験という大きな財産を彼らへと注ぎ続ける。

取材・文●岩国誠(フリーライター)

【著者プロフィール】
いわくに・まこと/1973年生まれ。プロ野球のニュース番組制作に携わるTV映像ディレクター。一時は球団公式SNS用動画制作やパ・リーグTVでの制作・配信を担当。その縁からフリーライターとして、webメディアでのプロ野球記事の執筆を始める。また、舞台俳優としての経験を生かして、野球イベントなどの運営や進行役など、幅広い活動を行っている。
 

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