●「あ、そうか! 試合があったんだ」
これも現役時代の話。不振だったミスターは試合前練習で特打ちに臨み、何かにとりつかれたかのように鬼気迫る150本の打ち込みを終えた。猛練習の甲斐あっていい感触を得たのか、満足げに風呂に入って汗を流すミスター。上がると、そのまま帰り支度を始めてしまった。思わず周囲が「何やってるんですか?」と聞くと、ミスターははっと気づいてひと言。「そうか、試合があったんだ!」......あまりに練習に打ち込みすぎて、試合のことをすっかり忘れていたのである。
●「いいなあ。オレ、バースデーアーチは一度も打ったことないよ」
長嶋とともにV9巨人の主砲として“ONコンビ”を組んだ王貞治は、5月20日の誕生日にバースデーアーチを通算3本放っている。通算0本のミスターは王のことをうらやましがっていたらしい。なお、ミスターの誕生日は2月20日。その時期はオフシーズンなのだから、打てるわけがない。
●「こんにちは、ジャイアンツの長嶋シゲルです」
ラジオにゲスト出演した時の第一声、自己紹介でいきなり自分の名前を間違えるのが、天才の天才たるゆえんなのだろうか? しかも一度きりではない。数年後、また別の番組に出演した時の締めくくりに、「長嶋茂雄でした」と言うはずが、何度やっても「長嶋シゲルです」に聞こえると、ディレクターが困惑しきり。当のミスター本人は「あっ、オレそういえばシゲルって言ってたな」とこともなげに言い、そのディレクターは寝込んでしまったとか……。
●「じゃあ、僕はカツ丼」
立教大の後輩で、ミスターに心酔していることで知られる元日本テレビアナウンサーの徳光和夫が、オススメの蕎麦屋にミスターを連れていった。事前に徳光が連絡を入れ、大将もミスターが来ると張り切って仕込み。いざ店に着いたミスターは、大将と熱い談義をかわし、蕎麦を打つ手並みに絶賛を送ったりした。だが、いざ注文の段になると……「長嶋さんは何にします?」「じゃあ、僕はカツ丼で」。お客さん、蕎麦は……?
●「洋服着るの初めてか?」
74年、監督に就任したミスターはドラフト1位で鹿児島実業のエースだった定岡正二を指名した。定岡は、その年の夏の甲子園で力投する姿をTV中継で見て以来のミスターのお気に入り。監督になって初めて指名した選手ということもあってか、溺愛ぶりは半端ではなかった。
そんな定岡にとって初の春季キャンプで、ミスターはなぜか「詰襟から洋服着るんだなあ」「洋服着るの初めてか?」と話しかけ、定岡は思わずポカン。おそらくミスターは「スーツ着るの初めてか?」と聞きたかったのだろう。定岡は「さすがに洋服くらい着たことありますよ監督......」と思ったに違いない。
これも現役時代の話。不振だったミスターは試合前練習で特打ちに臨み、何かにとりつかれたかのように鬼気迫る150本の打ち込みを終えた。猛練習の甲斐あっていい感触を得たのか、満足げに風呂に入って汗を流すミスター。上がると、そのまま帰り支度を始めてしまった。思わず周囲が「何やってるんですか?」と聞くと、ミスターははっと気づいてひと言。「そうか、試合があったんだ!」......あまりに練習に打ち込みすぎて、試合のことをすっかり忘れていたのである。
●「いいなあ。オレ、バースデーアーチは一度も打ったことないよ」
長嶋とともにV9巨人の主砲として“ONコンビ”を組んだ王貞治は、5月20日の誕生日にバースデーアーチを通算3本放っている。通算0本のミスターは王のことをうらやましがっていたらしい。なお、ミスターの誕生日は2月20日。その時期はオフシーズンなのだから、打てるわけがない。
●「こんにちは、ジャイアンツの長嶋シゲルです」
ラジオにゲスト出演した時の第一声、自己紹介でいきなり自分の名前を間違えるのが、天才の天才たるゆえんなのだろうか? しかも一度きりではない。数年後、また別の番組に出演した時の締めくくりに、「長嶋茂雄でした」と言うはずが、何度やっても「長嶋シゲルです」に聞こえると、ディレクターが困惑しきり。当のミスター本人は「あっ、オレそういえばシゲルって言ってたな」とこともなげに言い、そのディレクターは寝込んでしまったとか……。
●「じゃあ、僕はカツ丼」
立教大の後輩で、ミスターに心酔していることで知られる元日本テレビアナウンサーの徳光和夫が、オススメの蕎麦屋にミスターを連れていった。事前に徳光が連絡を入れ、大将もミスターが来ると張り切って仕込み。いざ店に着いたミスターは、大将と熱い談義をかわし、蕎麦を打つ手並みに絶賛を送ったりした。だが、いざ注文の段になると……「長嶋さんは何にします?」「じゃあ、僕はカツ丼で」。お客さん、蕎麦は……?
●「洋服着るの初めてか?」
74年、監督に就任したミスターはドラフト1位で鹿児島実業のエースだった定岡正二を指名した。定岡は、その年の夏の甲子園で力投する姿をTV中継で見て以来のミスターのお気に入り。監督になって初めて指名した選手ということもあってか、溺愛ぶりは半端ではなかった。
そんな定岡にとって初の春季キャンプで、ミスターはなぜか「詰襟から洋服着るんだなあ」「洋服着るの初めてか?」と話しかけ、定岡は思わずポカン。おそらくミスターは「スーツ着るの初めてか?」と聞きたかったのだろう。定岡は「さすがに洋服くらい着たことありますよ監督......」と思ったに違いない。