●日本シリーズにおける数々の“勲章”
長嶋は65~73年のV9時代を含め、実に13度も日本シリーズでプレーしている(日本一は11回)。「日本シリーズは公式戦以上の大舞台、これで張り切らなければ男じゃない」と語っていた通り、数々のシリーズ通算記録を有している。
まず、通算打率.343は堂々の歴代1位(160打数以上)。歴代最多の通算265打数という中で達成した数字だけに価値も高い。また、91安打、14二塁打、66打点、184塁打、41長打もすべて歴代1位で、いずれも“ONコンビ”を組んだ王貞治を上回っている。特に70年のロッテとのシリーズでは、第2戦と第3戦にまたがってシリーズタイ記録の3打席連続本塁打を達成。同シリーズでの4発は最多タイ記録と、“燃える男”ぶりを存分に発揮していた。
なお、長嶋はシーズン公式戦(.305)、オールスター(.313)、日本シリーズ(.343)のすべてで通算打率3割を達成している史上唯一の選手でもある。
●台覧試合での勝負強さ
長嶋のキャリアの中でも屈指の名場面といえば、59年6月25日に行われた史上初の天覧試合でのサヨナラ本塁打が思い浮かぶ。昭和天皇、香淳皇后両陛下が後楽園球場からお帰りになる直前の21時12分、村山実(阪神)からレフトポールギリギリに打ち込んだあの一打で、“ミスタープロ野球”の人気と地位は不動のものとなった。
その縁かは分からないが、長嶋は台覧試合にやたら強い。59年の阪神との天覧試合では4打数3安打、2本塁打。やはり両陛下が臨席された66年11月6日、日米野球ドジャース戦でも4打数3安打1本塁打。70年10月31日の対ロッテ日本シリーズ第3戦には、現在の今上陛下(当時は浩宮様)が観戦されていたが、第1打席から2打席連続弾を含む4打数3安打、2本塁打を放っている。
皇室観戦試合には通算で10試合に出場し、35打数18安打で打率.514、7本塁打、10打点。王も9試合で打率.357(28打数10安打)、4本塁打、9打点とよく打っていたが、ミスターの猛打はそれを凌駕している。
文●筒居一孝(SLUGGER編集部)
長嶋は65~73年のV9時代を含め、実に13度も日本シリーズでプレーしている(日本一は11回)。「日本シリーズは公式戦以上の大舞台、これで張り切らなければ男じゃない」と語っていた通り、数々のシリーズ通算記録を有している。
まず、通算打率.343は堂々の歴代1位(160打数以上)。歴代最多の通算265打数という中で達成した数字だけに価値も高い。また、91安打、14二塁打、66打点、184塁打、41長打もすべて歴代1位で、いずれも“ONコンビ”を組んだ王貞治を上回っている。特に70年のロッテとのシリーズでは、第2戦と第3戦にまたがってシリーズタイ記録の3打席連続本塁打を達成。同シリーズでの4発は最多タイ記録と、“燃える男”ぶりを存分に発揮していた。
なお、長嶋はシーズン公式戦(.305)、オールスター(.313)、日本シリーズ(.343)のすべてで通算打率3割を達成している史上唯一の選手でもある。
●台覧試合での勝負強さ
長嶋のキャリアの中でも屈指の名場面といえば、59年6月25日に行われた史上初の天覧試合でのサヨナラ本塁打が思い浮かぶ。昭和天皇、香淳皇后両陛下が後楽園球場からお帰りになる直前の21時12分、村山実(阪神)からレフトポールギリギリに打ち込んだあの一打で、“ミスタープロ野球”の人気と地位は不動のものとなった。
その縁かは分からないが、長嶋は台覧試合にやたら強い。59年の阪神との天覧試合では4打数3安打、2本塁打。やはり両陛下が臨席された66年11月6日、日米野球ドジャース戦でも4打数3安打1本塁打。70年10月31日の対ロッテ日本シリーズ第3戦には、現在の今上陛下(当時は浩宮様)が観戦されていたが、第1打席から2打席連続弾を含む4打数3安打、2本塁打を放っている。
皇室観戦試合には通算で10試合に出場し、35打数18安打で打率.514、7本塁打、10打点。王も9試合で打率.357(28打数10安打)、4本塁打、9打点とよく打っていたが、ミスターの猛打はそれを凌駕している。
文●筒居一孝(SLUGGER編集部)
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