▼西原太一
（上武大4年・外野手・右投右打・宮崎商）
関甲新学生リーグを代表する強打の外野手。レギュラー定着は3年春と遅かったが、そこから長打を量産し昨年秋はホームラン王、今年春は打点王のタイトルも獲得した。巧みなリストワークに加えて下半身の強さもあり、センターを中心に鋭い当たりを放つ。外野の守備は打球判断などに課題を残すが、脚力と肩の強さは申し分ない。昨年の全日本大学選手権では不発だっただけに、今年はその悔しさを晴らす活躍に期待だ。

▼秋山俊
（中京大4年・外野手・右投左打・仙台育英高）
高いレベルで確実性と長打力を備えた万能タイプの外野手。1年春から定位置をつかむと、ここまで7シーズンで101安打、12本塁打をマークするなど常に安定した成績を残し続けている。無駄なバットの動きがなく、タイミングのとり方に余裕がありコースに逆らわずに強く打てる打撃が持ち味。年々パワーもついており、この春も厳しいマークの中で4本塁打を放った。外野だけでなく内野を守れるのも魅力だ。

▼渡部海
（青山学院大3年・捕手・右投右打・智弁和歌山高）
早くも来年のドラフト有力候補と見られている強肩強打のキャッチャー。1年春から正捕手となると、これまで4度のベストナインを受賞するなどチームのリーグ5連覇にも大きく貢献している。この春も怪我で出遅れたものの、亜細亜大との天王山では2試合連続でホームランを放つなど勝負強さを見せた。時折キャッチングが雑になるのは課題だが、素早い送球も大学生ではトップレベル。今大会も攻守両面で注目の存在だ。

  ▼佐藤悠太
（東北福祉大3年・外野手・右投右打・報徳学園高）
長打力と高い運動能力が光る大型外野手。高校で投手から野手に転向したこともあって大学入学当時は無名の存在だったが、2年秋から外野の一角に定着すると、この春は打率.378、2本塁打、10打点の活躍でベストナインを受賞した。力任せではなく軽く振っているようでも飛距離が出る打撃が持ち味。膝の使い方が柔らかく、対応力の高さも光る。自身初となる全国の舞台での大ブレイクに期待だ。

▼高山裕次郎
（神奈川大1年・二塁手・右投左打・健大高崎高）
昨年はU-18侍ジャパンでも活躍した俊足巧打の内野手。大学でも入学直後からレギュラーをつかむと、10試合で19安打、1本塁打、6打点、打率.422という見事な成績でいきなりベストナインを獲得した。ミート力の高さは天下一品で、広角に鋭い当たりを放つ打撃が持ち味。体はそれほど大きくないが、ヘッドを利かせるのが上手く、長打力も備えている。今大会出場する1年生の野手では、現時点で頭一つ抜けた存在であることは間違いないだろう。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所（PABBlab）」でも多くの選手やデータを発信している。