●メイソン・ミラー（救援投手）　アスレティックス→パドレス

　パドレスが昨季はリリーフMLB２位の104三振を奪うなど、規格外の剛速球でMLBを席巻したルーキーのミラー、それに昨季11勝を挙げた先発投手のＪＰ・シアーズを獲得。２対４のトレードは、「今夏のトレード・デッドラインで最も衝撃的な移籍劇として記憶されるだろう」（『トレード・ルーマーズ』）。交換要員もMLBパイプラインでは全体３位にランクされたプロスペクト遊撃手レオ・デブリスを含む４選手だったため、その意味でもインパクトが大きかった。パドレスはクローザーにロベルト・スアレスがいるため、将来的にミラーを先発投手で起用するプランを考えているという。

●デビッド・ベッドナー（救援投手）　パイレーツ→ヤンキース

　三塁手と並んでヤンキースの有力な補強ポイントだったのが、ここ１ヵ月の防御率が６点台と深刻な不振に苦しんでいたブルペンだった。そのアップグレードのために、今夏の市場ではデュランらと並んで最も注目されていたベッドナーを加えたのはまさに求めていた補強。22～23年にはオールスター出場、23年にはセーブ王にもなったベッドナーは、昨季から今季序盤は不振だったが劇的に復活。ヤンキースはフィリーズやタイガースを出し抜いて、マイナー３選手との引き換えに獲得した。
  ●セドリック・マリンズ（外野手）　オリオールズ→メッツ

　21年には30－30を達成し、その後も俊足好守のセンターとして活躍してきたマリンズはオフにＦＡとなるため、かねてよりトレードは必至と言われていた。アストロズなども関心を示していると言われていたが、センターに有力なレギュラーが不在だったメッツが獲得。ホワイトソックスのルイス・ロバートJr.から方向転換した。メッツからは３人のマイナー投手が移籍。このうち、アンソニー・ヌニェスは元“二刀流”だ。

●ライアン・オハーン（一塁手）　オリオールズ→パドレス

　昨季までは平均より少し上の一塁手といった感じだったが、今季は31歳にしてブレイク。特に５月は打率.365と打ちまくり、初のオールスター出場も果たした。オフにＦＡということもあってこの夏はひそかな注目株だった。31日午後３時頃の時点ではレンジャーズやブルワーズも興味を示していたが、獲得したのはパドレス。事前の情報では「対価は割高」と言われており、強肩強打の外野手ラモン・ローレアーノとのセットで２対６のトレードに。パドレスから移籍するのは、全員が24年のドラフトで指名された選手だ。