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MLB

「天才は天才を知る」――MLB屈指の強打者ジョーイ・ボトーがイチローに捧げるメッセージ【独占インタビュー】

2019.08.30

今季はやや精彩を欠くボトーだが、2017年にはリーグ1位のOPS1.032を記録している(C)GETTY IMAGES

今季はやや精彩を欠くボトーだが、2017年にはリーグ1位のOPS1.032を記録している(C)GETTY IMAGES

――ボストンでイチローがあなたに大量のダンキンドーナッツを送りつけた、という話だったね。真剣勝負の合間にも楽しむことを忘れないメジャーリーグらしいやり取りだった。  

 僕たちはただ互いにふざけあっていただけだよ。長い間、プレーする過程ではルーティンの確立はもちろん大事だけど、たまにそのルーティンを破って楽しむことも大切だということ。そういった意味でも、彼は楽しみ方もよく知っている選手だった。

――2017年には、今度はあなたが自身を「カナダのイチロー」と呼んだことが大きく取り上げられた。自分をそう呼んだことの真意は? 

 ああ、あれはただのジョークだよ(笑)。僕はイチローじゃない。彼は特別なプレーヤーだ。ただ、僕は彼と一緒にふざけるのが好きなんだ。

――イチローがオールスターのホームラン・ダービーに参加すれば優勝できると信じられているのと同じように、「自分にだってできる」と話したというのが背景だったね。 

 そうそう(笑)。イチローに出てほしいと直接言ったことはないけど、彼が出場したら凄いことをやってのけただろう。
――そんなイチローも、3月の日本開幕戦を最後についに現役を引退した。彼の引退のタイミングをどう感じた?

 素晴らしいタイミングだったと思うよ。日本のファン、世界中のファン、シアトルのファン、そして彼がプレーした他のチームのファンがみんなあの素晴らしいゲームを楽しみ、僕たちのスポーツの歴史に残る特別な瞬間に感謝してくれていたなら嬉しく思う。

 少し時間をかけて振り返れば、彼のキャリアがとてつもないものだったと誰もが気づくはずだ。アメリカにいる僕たちが目にしたのは、キャリア中盤から後半にかけてのイチローだった。そして、キャリア終盤ですらも彼は素晴らしかった。メジャー3000安打に到達する姿を目の当たりにできたことも喜びだった。僕たちはスポーツ選手であり、"ゲーム"をプレーしているに過ぎない。ただ、その中にも例えようもなくクールな瞬間というのが存在する。彼の規律正しさと安定感は僕が憧れたところであり、他の多くの選手たちもそうして然るべきだった。

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