結果を残せていないながらも、新体制初陣の2月14日。ロッテとの練習試合で“開幕投手”を任せられた。指揮官の「千賀くんに失礼」という厳しい言葉は期待の裏返しでもあった。
ロッテ戦では昨季までの2段モーションのフォームで3回2失点。左右の打者への内角球には角度があり、自責はゼロだった。19日の日本ハムとの練習試合では3回2安打無失点と結果と内容を示し、「良くはなっている。ちょっとずつ角度が出ている」と指揮官の評価を上げて開幕ローテ争いに踏みとどまった。
フォーム変更は大きなきっかけになったものの、昨年のものに戻ったのではなく、あくまでも新しい自分になっていることを実感している。「(千賀フォームと言われたフォームを)ゼロにはしていません。戻しても、新しいこと、教えてもらったこと、細かいところを取り入れながらやりたいと思いました」。“千賀フォーム”を経たからこそ、今がある。
若いからゆえ無駄はある。回り道だってする。だが、失敗を許されるのも若手の特権でもある。日々悩み、学び、感じることが成長を後押しする。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が遅れる今も、オフに書き留めたノートを何度も見返し、ブルペンでも試行錯誤する。それでいい。
「一軍のローテに入って、ずっとここにいたい。どう力を出せるか考えながらやった結果、新しいことにチャレンジしたかった。挑戦しながら吸収して自分のものにできるようにしたい。(大瀬良)大地さんのようなエースと言われる選手になれればいいかなと思います」。
広島で開幕ローテーションを奪い取ることは、キャンプでの挫折が無駄でなかったことを証明するためでもある。近い目標を見据えつつ、大きな目標を抱いて20歳の遠藤は先行き不透明なシーズンを突き進む。その先に何があるかではなく、その先に自分が何をつかめるか―。そう考えながら、ただがむしゃらに前へ進んでいく。
文●前原淳
【著者プロフィール】
1980年7月20日・福岡県生まれ。現在は外部ライターとして日刊スポーツ・広島担当。0大学卒業後、編集プロダクションで4年間の下積みを経て、2007年に広島の出版社に入社。14年12月にフリー転身。華やかなプロ野球界の中にある、ひとりの人間としての心の動きを捉えるために日々奮闘中。取材すればするほど、深みを感じるアスリートの心技体――。その先にある答えを追い続ける。『Number』などにも寄稿。
ロッテ戦では昨季までの2段モーションのフォームで3回2失点。左右の打者への内角球には角度があり、自責はゼロだった。19日の日本ハムとの練習試合では3回2安打無失点と結果と内容を示し、「良くはなっている。ちょっとずつ角度が出ている」と指揮官の評価を上げて開幕ローテ争いに踏みとどまった。
フォーム変更は大きなきっかけになったものの、昨年のものに戻ったのではなく、あくまでも新しい自分になっていることを実感している。「(千賀フォームと言われたフォームを)ゼロにはしていません。戻しても、新しいこと、教えてもらったこと、細かいところを取り入れながらやりたいと思いました」。“千賀フォーム”を経たからこそ、今がある。
若いからゆえ無駄はある。回り道だってする。だが、失敗を許されるのも若手の特権でもある。日々悩み、学び、感じることが成長を後押しする。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が遅れる今も、オフに書き留めたノートを何度も見返し、ブルペンでも試行錯誤する。それでいい。
「一軍のローテに入って、ずっとここにいたい。どう力を出せるか考えながらやった結果、新しいことにチャレンジしたかった。挑戦しながら吸収して自分のものにできるようにしたい。(大瀬良)大地さんのようなエースと言われる選手になれればいいかなと思います」。
広島で開幕ローテーションを奪い取ることは、キャンプでの挫折が無駄でなかったことを証明するためでもある。近い目標を見据えつつ、大きな目標を抱いて20歳の遠藤は先行き不透明なシーズンを突き進む。その先に何があるかではなく、その先に自分が何をつかめるか―。そう考えながら、ただがむしゃらに前へ進んでいく。
文●前原淳
【著者プロフィール】
1980年7月20日・福岡県生まれ。現在は外部ライターとして日刊スポーツ・広島担当。0大学卒業後、編集プロダクションで4年間の下積みを経て、2007年に広島の出版社に入社。14年12月にフリー転身。華やかなプロ野球界の中にある、ひとりの人間としての心の動きを捉えるために日々奮闘中。取材すればするほど、深みを感じるアスリートの心技体――。その先にある答えを追い続ける。『Number』などにも寄稿。