▼3位 ダルビッシュ有、あと一人で完全試合を逃す
メジャーで活躍する日本人投手は少なくないが、並み居る強打者を真っ向勝負で牛耳る支配力を持っているのはダルビッシュだけだろう。
13年4月2日、敵地でのアストロズ戦で見せた投球がその何よりの証だ。この日、ダルビッシュは5回までに2ケタ奪三振、8回まで一人の走者も許さないパーフェクト・ピッチングを続けた。9回もわずか3球で2アウト。日本人初の大記録まであと一人と迫った。
だが、マーウィン・ゴンザレスに投じた110球目は真ん中に入り、打球はダルビッシュの股下を通り抜けて無情にもセンター前へ。試合後、ダルビッシュはツイッターで「あと一人て、なんでやねん!」とつぶやいたが、翌年5月のレッドソックス戦でも9回2死から安打を許してノーヒッターを逃している。
▼2位 大谷翔平がメジャー初本塁打でサイレント・トリートメントの洗礼
メジャーリーグでプレーする喜びが体現された瞬間だったのかもしれない――大谷がメジャー初本塁打を放った時のことだ。
18年4月3日、インディアンスとの本拠地開幕戦に8番・DHで出場した大谷は初回、右中間へ本塁打を放った。ハイライトはここからだ。ダグアウトに戻った大谷を待ち受けていたのは「サイレント・トリートメント」の洗礼。何事もなかったのように無視を決め込むチームメイトを見た大谷は、戸惑いつつも一人ハイタッチをしてダグアウトを進むと、イアン・キンズラーに「ねー構ってよー」と言わんばかりに抱きついた。笑いをこらえていた仲間が一斉に祝福する。大谷がチームに溶け込み、アメリカのファンの心をつかんだ瞬間だった。
▼1位 イチローが史上30人目の通算3000安打達成
2000年代を彩ったスーパースターは、ディケイドが変わっても数多くの名場面を作った。12年地区シリーズで捕手のタッチをかわした“ニンジャ走塁”、19年の日本開幕シリーズでの引退試合など印象深いものばかりだが、メジャー史上でも30人しか成し得ていない通算3000安打は、日本人という枠を超えた大偉業だった。
16年8月7日、クアーズ・フィールドでのロッキーズ戦、前日の試合で王手をかけたイチローは、6番・センターで先発出場。7回の第4打席、ついにその瞬間が訪れた。クリス・ラシンのカッターを捉えた打球は右翼フェンスを直撃。イチローは悠々三塁に到達し、3000安打を達成した。駆け寄るチームメイト、相手ベンチも拍手で応える。敵地にもかかわらず、満員のファンがスタンディング・オベーションで賛辞を送った事実が、3000という数字の持つ意味を物語っていた。
文●新井裕貴(スラッガー編集部)
※『スラッガー』2020年3月号より転載
【PHOTO】ダルビッシュ、大谷、マエケン!メジャーリーグで活躍する日本人選手を一挙紹介!
メジャーで活躍する日本人投手は少なくないが、並み居る強打者を真っ向勝負で牛耳る支配力を持っているのはダルビッシュだけだろう。
13年4月2日、敵地でのアストロズ戦で見せた投球がその何よりの証だ。この日、ダルビッシュは5回までに2ケタ奪三振、8回まで一人の走者も許さないパーフェクト・ピッチングを続けた。9回もわずか3球で2アウト。日本人初の大記録まであと一人と迫った。
だが、マーウィン・ゴンザレスに投じた110球目は真ん中に入り、打球はダルビッシュの股下を通り抜けて無情にもセンター前へ。試合後、ダルビッシュはツイッターで「あと一人て、なんでやねん!」とつぶやいたが、翌年5月のレッドソックス戦でも9回2死から安打を許してノーヒッターを逃している。
▼2位 大谷翔平がメジャー初本塁打でサイレント・トリートメントの洗礼
メジャーリーグでプレーする喜びが体現された瞬間だったのかもしれない――大谷がメジャー初本塁打を放った時のことだ。
18年4月3日、インディアンスとの本拠地開幕戦に8番・DHで出場した大谷は初回、右中間へ本塁打を放った。ハイライトはここからだ。ダグアウトに戻った大谷を待ち受けていたのは「サイレント・トリートメント」の洗礼。何事もなかったのように無視を決め込むチームメイトを見た大谷は、戸惑いつつも一人ハイタッチをしてダグアウトを進むと、イアン・キンズラーに「ねー構ってよー」と言わんばかりに抱きついた。笑いをこらえていた仲間が一斉に祝福する。大谷がチームに溶け込み、アメリカのファンの心をつかんだ瞬間だった。
▼1位 イチローが史上30人目の通算3000安打達成
2000年代を彩ったスーパースターは、ディケイドが変わっても数多くの名場面を作った。12年地区シリーズで捕手のタッチをかわした“ニンジャ走塁”、19年の日本開幕シリーズでの引退試合など印象深いものばかりだが、メジャー史上でも30人しか成し得ていない通算3000安打は、日本人という枠を超えた大偉業だった。
16年8月7日、クアーズ・フィールドでのロッキーズ戦、前日の試合で王手をかけたイチローは、6番・センターで先発出場。7回の第4打席、ついにその瞬間が訪れた。クリス・ラシンのカッターを捉えた打球は右翼フェンスを直撃。イチローは悠々三塁に到達し、3000安打を達成した。駆け寄るチームメイト、相手ベンチも拍手で応える。敵地にもかかわらず、満員のファンがスタンディング・オベーションで賛辞を送った事実が、3000という数字の持つ意味を物語っていた。
文●新井裕貴(スラッガー編集部)
※『スラッガー』2020年3月号より転載
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