●ソフトバンク 50点
2010 山下斐紹* 捕手 習志野高
2011 武田翔太 投手 宮崎日大高
2012 東浜巨★ 投手 亜細亜大
2013 加治屋蓮* 投手 JR九州
2014 松本裕樹 投手 盛岡大付高
2015 高橋純平★ 投手 県岐阜商
2016 田中正義★ 投手 創価大
2017 吉住晴斗* 投手 鶴岡東高
2018 甲斐野央* 投手 東洋大
2019 佐藤直樹* 外野手 JR西日本
常勝球団のイメージとは裏腹に、1位指名に関しては成功しているとは言い難い。東浜は17年に16勝を挙げて最多勝を獲得するなど、今季を含めて100イニング以上が4回と期待通りの活躍を見せているが、彼はむしろ例外。武田は15~16年に連続2ケタ勝利・防御率リーグ6位以内と一時はエースになりかけたが、その後は精彩を欠いている。13年以降の1位指名選手で規定投球回/規定打席をクリアした者は皆無で、加治屋・高橋純・甲斐野がリリーフで貢献したのもそれぞれ1年だけだ。何より、5球団の競合を制して獲得した田中が大誤算。逆に言えば1位指名が軒並みこの状態で、これほどの強さを維持しているというのも凄い。
●ロッテ 45点
2010 伊志嶺翔大* 外野手 東海大
2011 藤岡貴裕★ 投手 東洋大
2012 松永昂大* 投手 大阪ガス
2013 石川歩★ 投手 東京ガス
2014 中村奨吾 内野手 早稲田大
2015 平沢大河★ 内野手 仙台育英高
2016 佐々木千隼* 投手 桜美林大
2017 安田尚憲* 内野手 履正社高
2018 藤原恭大★ 外野手 大阪桐蔭高
2019 佐々木朗希★ 投手 大船渡高
10年間で9回入札が重複し、うち5度当選と恐ろしいほどの強運。これ以外に、5球団が集中した佐々木千をはじめ外れ1位の抽選も4戦4勝している。これだけ引きが強いにもかかわらず、入団後の成果はあまりよろしくない。競合で交渉権を勝ち取った選手のうち、石川は16年に最優秀防御率のタイトルを獲得したが、藤岡と平沢は期待を裏切り、外れ1位ながら5球団が競合した佐々木千も4年間で6勝のみと振るわず。そのことを考えると、採点が厳しくなるのもやむを得ないだろう。10年代前半はかなり即戦力志向が強かったが、後半は高校生の指名にシフト。安田と藤原、そして“令和の怪物”佐々木朗はまだこれからの選手で、現時点で高い点はつけられない。
文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。
2010 山下斐紹* 捕手 習志野高
2011 武田翔太 投手 宮崎日大高
2012 東浜巨★ 投手 亜細亜大
2013 加治屋蓮* 投手 JR九州
2014 松本裕樹 投手 盛岡大付高
2015 高橋純平★ 投手 県岐阜商
2016 田中正義★ 投手 創価大
2017 吉住晴斗* 投手 鶴岡東高
2018 甲斐野央* 投手 東洋大
2019 佐藤直樹* 外野手 JR西日本
常勝球団のイメージとは裏腹に、1位指名に関しては成功しているとは言い難い。東浜は17年に16勝を挙げて最多勝を獲得するなど、今季を含めて100イニング以上が4回と期待通りの活躍を見せているが、彼はむしろ例外。武田は15~16年に連続2ケタ勝利・防御率リーグ6位以内と一時はエースになりかけたが、その後は精彩を欠いている。13年以降の1位指名選手で規定投球回/規定打席をクリアした者は皆無で、加治屋・高橋純・甲斐野がリリーフで貢献したのもそれぞれ1年だけだ。何より、5球団の競合を制して獲得した田中が大誤算。逆に言えば1位指名が軒並みこの状態で、これほどの強さを維持しているというのも凄い。
●ロッテ 45点
2010 伊志嶺翔大* 外野手 東海大
2011 藤岡貴裕★ 投手 東洋大
2012 松永昂大* 投手 大阪ガス
2013 石川歩★ 投手 東京ガス
2014 中村奨吾 内野手 早稲田大
2015 平沢大河★ 内野手 仙台育英高
2016 佐々木千隼* 投手 桜美林大
2017 安田尚憲* 内野手 履正社高
2018 藤原恭大★ 外野手 大阪桐蔭高
2019 佐々木朗希★ 投手 大船渡高
10年間で9回入札が重複し、うち5度当選と恐ろしいほどの強運。これ以外に、5球団が集中した佐々木千をはじめ外れ1位の抽選も4戦4勝している。これだけ引きが強いにもかかわらず、入団後の成果はあまりよろしくない。競合で交渉権を勝ち取った選手のうち、石川は16年に最優秀防御率のタイトルを獲得したが、藤岡と平沢は期待を裏切り、外れ1位ながら5球団が競合した佐々木千も4年間で6勝のみと振るわず。そのことを考えると、採点が厳しくなるのもやむを得ないだろう。10年代前半はかなり即戦力志向が強かったが、後半は高校生の指名にシフト。安田と藤原、そして“令和の怪物”佐々木朗はまだこれからの選手で、現時点で高い点はつけられない。
文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。