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プロ野球

なぜ京田や金子が選外?ゴールデン・グラブ賞の無記名投票は見直すべきでは?

2019.11.06

『DELTA』のUZRでは受賞者3人ともマイナス評価だった一方、金子も辰己も大きくプラス数値を計上していた。しかしやはり、打撃成績は受賞者と比べて、数段劣っていることは明白だ。

 結局のところ、最大の問題は、アウォード投票が透明性に欠けることにある。 ゴールデン・グラブ賞は新聞社、通信社、テレビ局、ラジオ局でプロ野球担当者として5年以上にわたって現場で取材してきた記者が投票権を持っている。しかし、「どの社の」「誰が」「どういう理由」で選んだのかは公表されることがないため、疑問が残る投票結果になったとしても、なかなか改善が見られない。
 
 メジャーリーグでは、投票権を与えられた記者たちは、自身のSNSなどで誰に投票したのかを開示し、ファンからの疑問にもしっかりと対応している。時には、謝罪に追い込まれることもある。3年前には、ジャスティン・バーランダー(当時タイガース)のサイ・ヤング賞投票(同賞は1~5位までに投票する)をめぐって、ある記者が9月後半の登板を見ずに投票し、その間に好投したバーランダーに5位票すら投じずに炎上。謝罪文を掲載することになった。

 しかし、そうした「炎上」自体が日本では起こり得ない。なぜなら、誰が投票したかが分からないからだ。信念を持って京田ではなく坂本に投票したのなら、その理由を明かせばいい。それを聞いて納得するファンも必ずいるはずだ(バティスタに関しては疑問だが)。記名投票にすることで、記者はより責任を持って投票するようになり、アウォード投票はより厳格に、健全な形になるだろう。そして同時に、ファンもどんな選手がふさわしいかを多面的に考える機会を得られるはずだ。

 日本のアウォード投票も、一歩先に進む時が来ているのではないだろうか。

文●新井裕貴(SLUGGER編集部)

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