専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

オリックス、楽天が一大補強でオフシーズンの勝者に!又吉を獲得したソフトバンクは意外な盲点も【パ6球団補強採点】

出野哲也

2022.01.30

■日本ハム
評価=まずまずです(B)


【オフの補強ポイント】
△攻撃力の強化
○二塁と遊撃の底上げ

 リーグ最低得点に終わった打線が最大の強化ポイント。特に長打力の欠如が著しかったことから、ヌニェス、 アルカンタラと外国人野手を2人獲得した。ヌニェスは19年にメジャーで31本塁打を放った大砲。アルカンタラも昨年は3Aの71試合で17本を記録している。2人が評判通りに働いたとしてもなお迫力不足ではあるが、補強ポイントには合っている。

 また、アルカンタラはメインのポジションが二塁と遊撃。どちらもレギュラーが固定できていないので、その面でもプラスだ。ドラフトでも、3位で指名した水野達希(JR四国)には即戦力の期待がかかる。

 とはいえ、昨季途中に中田翔を放出し、オフに西川遥輝、大田泰示、秋吉亮の3人をノンテンダーとした穴もまた大きい。いずれも不振ではあったが、残っていれば巻き返す可能性もあっただけに、新助っ人らを加えたプラス分が相殺されてしまう点は否めない。また、バーヘイゲンの去就も未定。こちらも抜けたままなら、メジャーで実績のあるガントを加えたことを考慮しても大きな戦力ダウンになる。

【主な入退団選手】
▼IN
ヌニェス(内野手/タイガース)
ガント(投手/ツインズ)
ポンセ(投手/パイレーツ)
アルカンタラ(内野手/ジャイアンツ3A)

▼OUT
西川遥輝(外野手)
大田泰示(外野手)
秋吉亮(投手)
バーヘイゲン(投手)
 
■西武
評価=まずまずです(B)


【オフの補強ポイント】
△外国人選手の補強
○先発左腕の底上げ

 最下位に終わった要因のひとつが外国人選手の低迷にあり、思いきった総入れ替えを敢行した。ただし、ビッグネームは不在で、日本での大化けに期待せざるを得ない。唯一の野手であるオグレイディはユーティリティタイプの中距離打者だが、3Aでは好成績を残していて、最も期待が大きい。

 昨季も防御率がリーグ最下位だった投手陣には3人を加えた。左腕のエンスは3AでK/BB(奪三振と与四球の比)が5.00と優秀な数値。メジャーではリリーフで使われていたスミスも、先発として計算しているようだ。ブラジル出身の日系人投手タカハシは、24歳という年齢を考えても育成込みでの獲得だろう。

 たった2勝に終わった先発左腕の強化も必須だったので、4球団の競合で引き当てた1位の隅田知一郎(西日本工業大)だけでなく、2位でも佐藤隼輔(筑波大)と大学生左腕2人を指名。エンスと合わせ、補強項目は着実に消化した。

【主な入退団選手】
▼IN
オグレディ(外野手/パドレス)
スミス(投手/アスレティックス)
エンス(投手/レイズ)
ウィティ(内野手/マリナーズ3A)
タカハシ(投手/起亜)
隅田知一郎(投手/西日本工業大)
佐藤隼輔(投手/筑波大)

▼OUT
ニール(投手)
スパンジェンバーグ(内野手)
ギャレット(投手)
メヒア(内野手)
ダーモディ(投手)

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球「ドラフト」総検証 1965-』(いずれも言視舎)。
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号