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プロ野球

新庄日本ハムの「強み」と「弱点」。積極性が増した打線は長打力増も、先発4番手以降に課題<SLUGGER>

DELTA

2022.05.26

 一方、失点阻止(投手・守備)の面ではどうだろうか。ここまで、日本ハムの1試合平均失点は3.76点でリーグワースト。得点力は向上しているものの、失点の多さがそのアドバンテージを食いつぶしてしまっている。中でも先発ローテーションの層の薄さが深刻だ。

 上沢直之、伊藤大海、加藤貴之の主戦3投手はここまで素晴らしい投球を見せている。3投手は交流戦前で164イニングを消化。先発上位3投手の投球回を他球団と比較した場合、日本ハムの数字はリーグダントツの数字となっている。

<先発上位3投手の投球回比較>
【1位】日本ハム/164.0回
【2位】ソフトバンク/153.1回
【3位】ロッテ/151.2回
【4位】オリックス/147.0回
【5位】西武/144.2回
【6位】楽天/139.2回
 
 しかし、4番手以降を見ていくと、陣容は一気に心細くなる。4番手以降で最も多くイニングをこなしているのは杉浦稔大の15.1イニング、その次は金子千尋の13.0イニングでしかない。

 昨季は抑えを務めていた杉浦は、今季開幕もブルペンで迎えたが4月下旬から先発に転向。その杉浦がイニング数4番目というのは、それほど選手が入れ代わり立ち代わりして固定されていないということだ。飛躍が期待されていた立野和明、河野竜生がいずれも不発、年俸2億4000万円の新助っ人ガントがここまで一軍未登板と誤算が相次いでいる。

 今後、この問題に首脳陣はどう対処するのだろうか。ファームから新戦力を抜擢するのか、はたまた既存戦力の配置転換で戦力向上を目指すのか。ビッグボスとともに投手コーチの手腕が試されることになりそうだ。

 ここまで、現状の日本ハムの戦力分析を行った。現状は最下位に沈み、24日から始まった交流戦でもヤクルト相手に2試合連続サヨナラ負けを喫するなど厳しい状況だ。だが、ポジティブな要素もあり、最下位確定というような状況ではまったくない。若い選手が多いだけに伸びしろは十分。ビッグボス采配でこれからチームがどのように変貌を遂げるのか注目だ。

文●DELTA(@Deltagraphs/https://deltagraphs.co.jp/)

【著者プロフィール】
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』の運営、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート5』(水曜社刊)が4月6日に発売。


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