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プロ野球

視聴者数は驚異の392万人。いったいなぜ独立リーグの「日本一決定戦」が注目を集めたのか? 人気沸騰の舞台裏

岩国誠

2022.10.18

遠方であっても、無人カメラを通してのスポーツ中継でその魅力が広く知れ渡ることに。現代社会と独立リーグの親和性は高かった。写真:岩国誠

遠方であっても、無人カメラを通してのスポーツ中継でその魅力が広く知れ渡ることに。現代社会と独立リーグの親和性は高かった。写真:岩国誠

 試験的な試みということもあって、数字目標を設定していなかったという今回のライブ中継。デーゲーム開催ということで苦戦を覚悟していた関係者もいる中、2日間の累計は視聴数約392万人(IPBL調べ)。改めて独立リーグのコンテンツとしての可能性を示す結果となった。

「今回のスポナビ中継は、相当数見てくださった。ちゃんと中継できれば、SNSも活性化する。来年もまた検討していかないとですが、もっといい形で昇華させていけたらと思っています」。予想を上回る視聴数に手応えを感じていた馬郡会長。今回の成功をどうつなげていくのか。独立リーグ全体の今後の動きにも注目したい。

 最後に、四国IL代表として参戦した高知ファイティングドックス・吉田豊彦監督(元南海・ダイエーなど)が、今回の試みについて話したコメントも紹介したい。
 
「一般の方だけでなく、野球をやっている方でも、独立リーグ自体をあまり知らない方も結構いらっしゃると思います。今回の中継を機会に、そういうところにもどんどん発信していることが、やはりアピールになると思いますので、今後、上を目指す子たちのためにも、独立リーグの存在を知ってもらって、『俺もやりたい』と、そういう風になってほしいと思います」

 目指す舞台はNPB。その道筋はいろいろあるが、社会が多様性への対応を求められるこの時代。選択肢が増えることは、今までなら埋もれてしまった才能が、世に出る可能性を増やすことにもつながるのではないか。先に記した湯浅だけでなく、ロッテ・角中勝也(四国IL・高知)やソフトバンク・又吉克樹(四国IL・香川)のような選手が、もっと生まれるかも知れない。

 スポーツナビのライブ配信でコンテンツとしての可能性を見せた独立リーグ。今回の成功が、今後に繋がっていくことを、一人の野球ファンとして願わずにはいられない。

取材・文●岩国誠
 

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