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プロ野球

打率1割の不振も経験した強打者はなぜ阪神のドラ1に? 森下翔太の“追い風”となる「岡田新監督」と「虎の事情」

THE DIGEST編集部

2022.11.02

三塁で守備練習をこなす佐藤に熱視線を向ける岡田監督。この阪神が誇るレジェンドの存在は、森下にとっても活躍のカギとなる。写真部:産経新聞社

三塁で守備練習をこなす佐藤に熱視線を向ける岡田監督。この阪神が誇るレジェンドの存在は、森下にとっても活躍のカギとなる。写真部:産経新聞社

 ただ、森下にとって最大の追い風となりそうなのが、他でもない岡田“新監督”の存在である。

 岡田監督は前政権時にも就任1年目からルーキーだった鳥谷敬(←早稲田大学)を積極的に起用し、2年目以降は完全なレギュラーにまで昇華させた。就任決定以降の発言からも、右の強打者を育てたいという意欲が強く感じられるだけに、森下を1軍で抜擢する可能性は十分に考えられる。このルーキーを除いて若手の、それも右の強打者タイプは井上広大しかいないという阪神のチーム事情も大きな幸運と言えるだろう。
 
 仮に積極的に起用された際に重要になるのが、まずは打率よりも長打力をアピールするという点であり、その点で「最高のお手本」となるのが佐藤ではないだろうか。佐藤も1年目はリーグ最多となる173三振を喫しながら24本塁打を放っている。これと同じ数字を目指すのは簡単ではないが、100試合程度に出場して2桁本塁打を記録できれば、まずは第1段階クリアと見ていい。

 ちなみに阪神の日本人選手の右打者が最後に30本塁打を記録したのは岡田監督自身であり(1985年に35本塁打)、現在の主砲である大山悠輔も自己最多は2020年の28本塁打である。そういう意味でも森下への注目度や期待値は高い。長所を伸ばして甲子園で大きく成長してもらいたい。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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