●2位
佐々木朗希(ロッテ)が28年ぶりの完全試合を達成
4月10日のオリックス戦で、佐々木は今後二度とお目にかかれないような驚異的投球を繰り広げた。最速164キロの豪速球とフォークに打者はバットにまともに当てられず、初回2死に吉田正尚から空振り三振を奪ったのを皮切りに、4回1死まで8者連続空振り三振。次のブレイビック・バレラからも見逃し三振を奪ってプロ野球タイ記録の9者連続に並ぶと、続く吉田は再び空振り三振で新記録を達成。その後も13者連続まで記録を伸ばした。
8回にも5度目の3者三振で1試合18奪三振とし、95年に野田浩司が記録した日本記録の19個が目前に迫った。9回は最初の2人が内野ゴロで新記録の可能性は潰えたものの、最後の打者・杉本裕太郎は三振でタイ記録達成。史上16人目、1994年の槙原寛己以来28年ぶりの完全試合を実現した。今季は12打席に1度しか三振しなかった吉田から3三振を奪ったのも凄かった。
佐々木は次の登板となった17日の日本ハム戦でも、8回まで14奪三振で一人の走者も出さず、連続イニングパーフェクトは17回にまで達した。この時点で投球数は102。2試合連続完全試合の可能性もあったが、0対0の試合展開だったこともあり、疲労を考慮した井口資仁監督が降板を指示。前人未踏の「2試合連続完全試合」の夢が潰えたことには賛否両論が渦巻いた。
●1位
村上宗隆(ヤクルト)が56本塁打&史上最年少三冠王
今年の村上の活躍は史上最高と言ってもいいかもしれない。打率.318/56本塁打/134打点でプロ野球史上8人目、セ・リーグでは1986年のランディ・バース(阪神)以来36年ぶりの三冠王。22歳での達成は史上最年少であった。内容的にも非の打ちどころがなく、本塁打数はリーグ2位の岡本和真(巨人)と3位の丸佳浩(巨人)の本数を合計した57本より、1本少ないだけ。打点に至っては、2位の牧秀悟(DeNA)と大山悠輔(阪神)に47点もの大差をつけた。
そして周知の通り、シーズン最終打席で放った56号本塁打は、64年の王貞治が記録した55本を抜き、日本人登録打者としては史上最多となった。7月31日の阪神戦では第3打席から3打席連続本塁打、続く8月2日の中日戦でも最初の2打席連発で、5打席連続本塁打の新記録も樹立した。過去に4打数連続は21度あったが、誰も超えられなかった5打数連続の壁をいとも簡単に乗り越えた。
確かに、2013年にウラディミール・バレンティン(ヤクルト)が打った60本塁打には届かなかった。OPSも同年のバレンティンは1.234で、今季の村上の1.168を大きく上回る。ただ、13年のセ・リーグはOPS.699で、今季(.678)よりかなり高かったことは考慮すべきだろう。2年連続のMVPにも満票で選出され、オフの契約更改では史上最速で年俸5億円超えも達成(6億円の3年契約)。3年後にメジャーリーグ挑戦も条件に盛り込まれた。
文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球ドラフト総検証1965-』(いずれも言視舎)。
佐々木朗希(ロッテ)が28年ぶりの完全試合を達成
4月10日のオリックス戦で、佐々木は今後二度とお目にかかれないような驚異的投球を繰り広げた。最速164キロの豪速球とフォークに打者はバットにまともに当てられず、初回2死に吉田正尚から空振り三振を奪ったのを皮切りに、4回1死まで8者連続空振り三振。次のブレイビック・バレラからも見逃し三振を奪ってプロ野球タイ記録の9者連続に並ぶと、続く吉田は再び空振り三振で新記録を達成。その後も13者連続まで記録を伸ばした。
8回にも5度目の3者三振で1試合18奪三振とし、95年に野田浩司が記録した日本記録の19個が目前に迫った。9回は最初の2人が内野ゴロで新記録の可能性は潰えたものの、最後の打者・杉本裕太郎は三振でタイ記録達成。史上16人目、1994年の槙原寛己以来28年ぶりの完全試合を実現した。今季は12打席に1度しか三振しなかった吉田から3三振を奪ったのも凄かった。
佐々木は次の登板となった17日の日本ハム戦でも、8回まで14奪三振で一人の走者も出さず、連続イニングパーフェクトは17回にまで達した。この時点で投球数は102。2試合連続完全試合の可能性もあったが、0対0の試合展開だったこともあり、疲労を考慮した井口資仁監督が降板を指示。前人未踏の「2試合連続完全試合」の夢が潰えたことには賛否両論が渦巻いた。
●1位
村上宗隆(ヤクルト)が56本塁打&史上最年少三冠王
今年の村上の活躍は史上最高と言ってもいいかもしれない。打率.318/56本塁打/134打点でプロ野球史上8人目、セ・リーグでは1986年のランディ・バース(阪神)以来36年ぶりの三冠王。22歳での達成は史上最年少であった。内容的にも非の打ちどころがなく、本塁打数はリーグ2位の岡本和真(巨人)と3位の丸佳浩(巨人)の本数を合計した57本より、1本少ないだけ。打点に至っては、2位の牧秀悟(DeNA)と大山悠輔(阪神)に47点もの大差をつけた。
そして周知の通り、シーズン最終打席で放った56号本塁打は、64年の王貞治が記録した55本を抜き、日本人登録打者としては史上最多となった。7月31日の阪神戦では第3打席から3打席連続本塁打、続く8月2日の中日戦でも最初の2打席連発で、5打席連続本塁打の新記録も樹立した。過去に4打数連続は21度あったが、誰も超えられなかった5打数連続の壁をいとも簡単に乗り越えた。
確かに、2013年にウラディミール・バレンティン(ヤクルト)が打った60本塁打には届かなかった。OPSも同年のバレンティンは1.234で、今季の村上の1.168を大きく上回る。ただ、13年のセ・リーグはOPS.699で、今季(.678)よりかなり高かったことは考慮すべきだろう。2年連続のMVPにも満票で選出され、オフの契約更改では史上最速で年俸5億円超えも達成(6億円の3年契約)。3年後にメジャーリーグ挑戦も条件に盛り込まれた。
文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球ドラフト総検証1965-』(いずれも言視舎)。
関連記事
- ジャッジと大谷の歴史的大活躍、プーホルスの偉業達成、アストロズの“クリーンな”世界一…【SLUGGER編集部が選ぶ2022年MLB10大ニュース】
- 村上宗隆、山本由伸に米メディアが早くも熱視線! 若き三冠王は“ジャッジ級”の大型契約の期待「413億円のプレーヤーかも」
- OPSは驚異の1.168!史上最年少三冠王・村上が圧巻の4部門制覇【表彰されざる男たち:セ・リーグ野手編】<SLUGGER>
- 9イニング平均12.04!“令和の怪物”佐々木朗希の驚異の奪三振率【表彰されざる男たち:パ・リーグ投手編】<SLUGGER>
- 「スプリッターは大谷並みだ」――MLBスカウトたちが熱視線を送る佐々木朗希の“リアル評”。懸念材料となるものは?<SLUGGER>