宮崎合宿からの約1か月。通常であれば、貴重な調整段階の時期にダルビッシュは自らのコンディションよりも先に、若手たちのケアやスキルアップに奔走。それも、今までになかったオープンな思考を代表にもたらした。
これがいかに簡単ではないのか。それは栗山監督の言葉からも滲み出る。
「(通常は)1週間に1回、球数を増やしていきながら調整してもらって試合に向かっていく。一切、試合に出られずに、まあ1試合練習試合を中日がやってくれましたけど、韓国戦にいかなければいけないという状況の中で。申し訳ないと本人に謝りました」
上下関係を取っ払ったダルビッシュの振る舞いによって、侍ジャパンの団結が深まったのは間違いない。さらに言えば、羨望によって生じる「壁」をなくしたことで、“世界ナンバーワンプレーヤー”の大谷、そして初の日系人選手として注目を集めたラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)にNPBの若手選手たちが臆せずコミュニケーションが取れる雰囲気も創出。結果的に両者も活躍しやすい環境が生まれていった。
責任やプレッシャーに晒されがちな侍ジャパン。そんな凝り固まった考え方を開けた思考でもって変えたと言っても過言ではない。グラウンド上では万全の投球はできなかったが、「楽しく野球をしているところを、ファンの方々に見てもらうことがすごく大事だと思っていた」と大会終了後に語ったダルビッシュの存在は、この先も語り継いでいきたい。
文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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これがいかに簡単ではないのか。それは栗山監督の言葉からも滲み出る。
「(通常は)1週間に1回、球数を増やしていきながら調整してもらって試合に向かっていく。一切、試合に出られずに、まあ1試合練習試合を中日がやってくれましたけど、韓国戦にいかなければいけないという状況の中で。申し訳ないと本人に謝りました」
上下関係を取っ払ったダルビッシュの振る舞いによって、侍ジャパンの団結が深まったのは間違いない。さらに言えば、羨望によって生じる「壁」をなくしたことで、“世界ナンバーワンプレーヤー”の大谷、そして初の日系人選手として注目を集めたラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)にNPBの若手選手たちが臆せずコミュニケーションが取れる雰囲気も創出。結果的に両者も活躍しやすい環境が生まれていった。
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