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高校野球

KKコンビに江川、松坂、マー君ら“怪物“たち…夏の甲子園史上最強選手は一体誰だ?【SLUGGERが選ぶ本当にスゴイ夏の高校球児ベスト20:1~10位】

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2023.08.06

●2位 松坂大輔(横浜/1998年)

”平成の怪物”こと松坂は、まさに同世代の選手たちにとって倒しえぬ”ラスボス”だった。98年の公式戦で、横浜は41戦無敗。松坂はうち36試合に登板して30勝を挙げている。春のセンバツでは全45イニングで失点わずか4とまさに難攻不落だった。

 だが、夏はそれ以上に非現実的な展開の連続だった。2回戦では、前の試合でノーヒットノーランを達成したばかりの世代屈指の好投手・杉内俊哉擁する鹿児島実を相手に完封勝ち。続く3回戦でも強豪・星稜を0封したかと思えば、準々決勝のPL戦では延長17回の死闘を一人で投げ抜いた。そして、高校生活最後の試合となった京都成章との決勝で、松坂は3日連続登板にもかかわらずノーヒットノーランを達成。決勝でのノーヒッターは、戦前の名投手嶋清一(海草中)以来史上2人目の快挙。この大記録を持って松坂は甲子園無敗伝説を作り上げ、永遠の存在となった。
 
●1位 清原和博(PL学園/1983・84・85年)

 甲子園のホームランに関する記録は、ほとんどすべてこの男が持っていると言っても過言ではない。プロ野球史における王貞治のような圧倒的な存在感が、清原にはあった。

 強豪PLにあって1年生から4番を任され、幾多の強敵をバットで粉砕してきた。春夏合わせて甲子園に5度出場し、優勝2回に準優勝2回。春夏通算13本だけでなく、春通算4本も夏通算9本もすべて史上最多記録。84年のセンバツでの大会3本塁打も、85年夏の同5本(こちらはのちに中村奨成に破られるが)も最多記録だったし、1試合3本塁打も、甲子園史上最長飛距離と言われる140メートル弾もあった。朝日放送の植草貞夫アナウンサーが絶叫したように、甲子園はまさに「清原のために」あったようなものなのだ。

 最後の夏の決勝を前日に控えた夜、清原はチームメイトに向かってこう宣言したという。「俺たちは優勝する。そして、俺は2本のホームランを打つ」。翌日の宇部商との試合で、清原は第2打席と第3打席に打球をスタンドに叩き込んで”予告”を実現。この不世出のスラッガーこそが、高校野球史上最強プレーヤーであることは間違いない。

文●筒居一孝(SLUGGER編集部)
 

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