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プロ野球

二軍の抑えから一軍の勝利の方程式へ。異国の地で“怖さ“を知った漆原大晟は新たな「育成の星」となるか

中島大輔

2020.01.08

 一軍で結果を残すためには、パワフルな外国人打者をいかに封じていくかが不可欠になる。「甘い球を投げたら持っていかれる」という体験をプエルトリコでしたことで、漆原は多くの収穫を手に入れた。

 そして迎える2020年シーズン。大卒2年目の23歳は飛躍を見据えている。

「支配下登録は第一段階だと思っています。一軍のマウンドに立って勝ちに貢献するのが最大の目標なので、支配下登録は通過点になれればいいかなと。プエルトリコでレベルアップして、その姿を日本に帰って発揮できたらアピールになると思います」

 オリックスにはエースの山本由伸と山岡泰輔を筆頭に、左腕の田嶋大樹やセットアップの澤田圭佑、そして育成出身の榊原翼、張奕など好投手がひしめいている。支配下登録には激しい競争を勝ち抜かなければならない一方、チームメイトと切磋琢磨できる環境は、自身にとってプラスに働くと漆原は捉えている。
 
「チームにはすごくいいピッチャーがいっぱいいるので、参考にさせてもらいたいですね。負けたくないという気持ちもあるので、反骨心を持ちつつ、いろいろ先輩方からもアドバイスをいただいてやっていきたい。マウンドに立ってやるべきは抑えることだけなので、自分のパフォーマンスをできるように準備していくことが大事だと思います。周りを気にしすぎず、自分をしっかり持ってやっていければいいかなと思いますね」

 空振りを取れる速球を武器とし、勝負度胸もある。ルーキーイヤーの昨年、ウエスタン・リーグや異国で誰より経験を積んだ漆原が一軍のブルペン争いに名乗りを上げた時、オリックス投手陣は一層強固なものになるはずだ。

文●中島大輔(スポーツライター)

【著者プロフィール】 
なかじま・だいすけ/1979年生まれ。2005年から4年間、サッカーの中村俊輔を英国で密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に野球界の根深い構造問題を描いた『野球消滅』。『中南米野球はなぜ強いか』で2017年度ミズノスポーツライター賞の優秀賞。
 

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