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「彼が私のキャリアを救ってくれた」ヒートで30年のキャリアを築いたライリーが、殿堂入りするチームオーナーに感謝<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.09.02

ヒート球団社長のライリー(右)が、チームオーナーのアリソン(左)について語った。(C)Getty Images

 2025年のバスケットボール殿堂入り式典は、9月6日(日本時間7日)にマサチューセッツ州スプリングフィールドにあるシンフォニー・ホールで開催される。

 今年は2000年代後半から2010年代中盤にかけて、リーグ屈指のスコアラーとして活躍したカーメロ・アンソニー(元デンバー・ナゲッツほか)や、ゴール下で抜群の支配力を誇ったドワイト・ハワード(元オーランド・マジックほか)、シカゴ・ブルズのビリー・ドノバンHC(ヘッドコーチ)、WNBAレジェンドのスー・バードらが殿堂入りを飾る。

 また、マイアミ・ヒートのオーナー、ミッキー・アリソンが功労者部門で選出。式典のプレゼンターは球団OBのアロンゾ・モーニングとドゥエイン・ウェイド、そして球団社長のパット・ライリーが務める。

 1988-89シーズンからNBAに参入したヒートは、昨季までの37シーズンでプレーオフに26度進出し、2006年にフランチャイズ初優勝。2012、13年には連覇を達成した。

 1990年代後半にヒートをプレーオフ常連に押し上げたモーニング、3度の優勝すべてに多大な貢献をしたウェイドは紛れもなく球団を代表する選手だが、アリソンとともにチームの歴史を語る上で欠かせないのがライリーだ。
 
 1980年代にロサンゼルス・レイカーズのHCとして4度の優勝を勝ち取り、94年にはニューヨーク・ニックスをファイナルに導いたライリーは、95年6月にニックスのHCを辞任。同年9月にヒートの指揮官へ就任した。

 ただ、当時はまだニックスとの契約が残っていたため、その補償としてドラフト1巡目指名権が譲渡され、事実上の"トレード"と見なされた。

 9月1日にヒートの地元メディアの取材で、ライリーはアリソンについてこう話していた。

「オーナーとして、彼は非常に強い忠誠心を示してきた。彼は私やスタッフ、この組織にいる全員にずっとそうしてきた。彼はものすごく正直な男だ。私が耳に入れたいかどうかに関係なく、常に正直なんだ。私たちはそのような関係をずっと築いてきた。だからこそ、私は彼が心底欲していること、本当に勝ちたいという想いを受け止め、信じている。彼は勝者なんだ」

 ヒートで過ごした30年間、ライリーは球団運営にも携わってきた。2010年夏にはレブロン・ジェームズ(現レイカーズ)、クリス・ボッシュを加え、ウェイドとの"スリーキングス"を形成し、2度リーグの頂点に立った。
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1995年以降、優勝回数でヒートを上回るのは3チームのみ