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「勝利のために記録を犠牲に」土壇場で示したレブロンの勝利優先のマインド。“弟子”八村に託したラストショット<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2025.12.05

連続2桁得点の記録は「1297試合」で途絶えたが、レブロンは勝利を優先した。(C)Getty Images

 八村塁がNBAキャリア初の決勝ブザービーターを決めた現地12月4日のトロント・ラプターズ戦。劇的弾を生み出したのは、自身の記録より勝利を優先した"師匠"レブロン・ジェームズだった。

 ロサンゼルス・レイカーズはこの日、リーグ得点王でエースのルカ・ドンチッチが欠場。前半こそ終始リードを保って優位に進めたものの、後半に反撃を受け、第4クォーター残り5分を切って3点ビハインドと劣勢に立たされる。

 それでも残り1分46秒、レブロンがドライブからレイアップを捻じ込んで118-118の同点に。この時点でレブロンのスコアは8点。勝利と同時に、自身が持つ連続2桁得点試合のNBA記録更新も目前に迫った。

 続く攻撃でもボールを手にした背番号23は、勝ち越しのターンアラウンドジャンパーを狙うも、ここはスコッティ・バーンズにブロックを喰らってしまう。

 その後、両チームとも2点を取り合い同点で迎えた最終局面。この日44得点を奪っていたオースティン・リーブスにラプターズがダブルチームを仕掛け、ボールはトップの位置にいたレブロンのもとへ。

 目の前にディフェンダーは1人。それも身長188cmと自身より18cmも小さいイマニュエル・クイックリーが相手だったことを考えると、レブロンが攻め込むことは十分可能だった。何より、2桁得点の記録を考えれば、自分がショットを放って外しても延長戦に入るため、スコアを伸ばせるチャンスは増えたはずだ。
 
 しかし稀代のオールラウンダーはここで、左コーナーにオープンになっていた八村へのパスを選択。2023年の加入以降、師弟関係を築いてきた"弟子"にラストショットを託し、見事な劇的勝利につなげた。

 現地の実況は「彼は常に正しいプレーをすることだけを考えている。ここでの正しいプレーはルイによるコーナースリーだった」とレブロンの最後の判断を称賛。

 さらに『Bleacher Report』は、「レブロンはゲームウィナーのために連続記録を犠牲にした。O.M.G.(オーマイガー)」と、驚きを持って伝えた。

 レブロンの連続2桁得点記録は、1297試合でストップ。2007年の1月6日から19年近くにわたって続けてきた偉業についに終わりの時が訪れたが、歴代2位のマイケル・ジョーダンでさえ866試合と大差がついており、まさに前人未到と言っていいだろう。

 試合後、記録が途絶えたことへの心情を問われたレブロンは、「何もない。俺たちは勝った」と一言。

 どんな記録もいつかは終わるもの。それが自身の選択で、しかも目をかけてきた頼れる後輩によって終止符が打たれたのだから、本人も納得だろう。近年は時に足枷にもなりつつあった"2桁得点"のハードルがなくなり、今後はより勝利に集中できそうだ。

構成●ダンクシュート編集部

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