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NBA

“人脈が命”のNBAコーチ業界で着実にステップアップ。オールスターで世界選抜を率いるセルビア人指揮官の道のり<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2026.02.12

今季はラプターズをプレーオフ圏内に押し上げるラジャコビッチHC。オールスターの舞台で世界選抜を率いる。(C)Getty Images

今季はラプターズをプレーオフ圏内に押し上げるラジャコビッチHC。オールスターの舞台で世界選抜を率いる。(C)Getty Images

 現地時間2月15日に開催されるNBAオールスターゲームで、“チームWORLD”を率いるヘッドコーチ(HC)に、トロント・ラプターズのセルビア人指揮官、ダーコ・ラジャコビッチが選ばれた。

「オールスターゲームでセルビアを代表し、カナダを代表し、世界を代表できることは、この上ない名誉だ。選手たちとともに、この素晴らしい祭典に臨めることに、心からワクワクしている」

 祭典の1週間後(2月22日)に47歳の誕生日を迎える指揮官は、この栄誉ある任命を受けて、そう喜びを語った。

 ラプターズを率いて3シーズン目のラジャコビッチは、一昨季、ニック・ナースの後任に迎えられた際、NBA史上2人目の欧州生まれのHCとなった。

 ちなみに1人目は、同じくセルビア出身で、2018-19シーズンにフェニックス・サンズで指揮を執ったイゴール・ココスコフだ。アメリカ大陸以外の出身者で初めてNBAのHCとなったココスコフは、2000年のロサンゼルス・クリッパーズを皮切りに現職のアトランタ・ホークスまで、数々のフランチャイズでアシスタントコーチを務めている。

 ラジャコビッチもココスコフ同様、選手としてはプロ経験がなく、10代後半と若くして指導者の道に入った。
 
 ただ、ジョージア(2008~15)、スロベニア(16~17)、セルビア(19~21)など、代表チームのHCとして国際経験も豊富なココスコフとは異なり、ラジャコビッチは生まれ故郷セルビアの地方都市チャチャクのユースチームのコーチからキャリアをスタートさせた。

 その後は同国の名門レッドスターのユースチームのコーチを務めると、スペインに渡り、ここで初めて下部リーグのクラブ、エスパシオ・トレロドーネスでHCとなるチャンスを得た。

 しかし逆に、下部リーグの小クラブであったことで、選手のリクルートから育成までに携わることができたのは、指導者としてのキャリアを積む上で非常に有益な経験となった。就任時に5部リーグにいたクラブを1年で4部に引き上げると、その後の2シーズンも安定した成績をキープし、その実績を携えてラジャコビッチはアメリカへと渡った。

 アメリカで彼の水先案内人となったのは、現在オクラホマシティ・サンダーのゼネラルマネージャー(GM)を務めるサム・プレスティだ。

 欧州でのコーチ時代、ラジャコビッチはNBAサマーリーグでサンアントニオ・スパーズのアシスタントコーチを務め、同時に欧州でのスカウトも請け負っていたが、その時、当時スパーズのアシスタントGMだったプレスティと親交を深めたのだった。

 その後サンダーのGMとなったプレスティの誘いで、ラジャコビッチはサンダーの下部組織であるGリーグのタルサ・66ers(現オクラホマシティ・ブルー)のHCに就任した。欧州出身者で初の、Gリーグ指揮官の誕生だった。
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