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NBA

ロケッツを連覇に導いた名将トムジャノビッチが、殿堂入りプレゼンターに教え子のオラジュワンを指名

秋山裕之

2020.04.12

トムジャノビッチ(左から3番目)は現役時代にロケッツ一筋でプレー。引退後はコーチに転職し、オラジュワン(左から2番目)を中心に94、95年にチームを連覇に導いた。(C)Getty Images

トムジャノビッチ(左から3番目)は現役時代にロケッツ一筋でプレー。引退後はコーチに転職し、オラジュワン(左から2番目)を中心に94、95年にチームを連覇に導いた。(C)Getty Images

 4月4日(日本時間5日、日付は以下同)、ネイスミス・バスケットボール・ホール・オブ・フェイム(以降、殿堂)が、今年バスケットボール殿堂入りする9名を発表した。

 元NBA選手ではコビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)、ティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)、ケビン・ガーネット(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)にタミカ・キャッチングス(元WNBAインディアナ・フィーバー)というビッグネームが名を連ねる中、コーチ部門でルディ・トムジャノビッチも殿堂入りを決めた。

 1970年のドラフト1巡目2位でサンディエゴ(現ヒューストン)ロケッツから指名されたトムジャノビッチは、11年間のキャリアをロケッツ一筋でプレー。5度のオールスター選出を誇る“ルディT”は、フォワードの両ポジションをこなすマルチプレーヤーとして通算768試合に出場し、平均17.4点、8.1リバウンド、2.0アシストを記録した。

 1980-81シーズン限りで引退すると、翌年からロケッツのスカウトを務め、83-84シーズンからアシスタントコーチ、91-92シーズンの途中からヘッドコーチ(HC)に昇格し、2002-03シーズンまで指揮を執った。
 
 トムジャノビッチは選手時代を含めて34年間ロケッツに関わり、HCとして通算943試合で527勝416敗(勝率55.9%)を記録。選手として通算1万点以上(1万3383点)、HCとして通算500勝以上を残した史上唯一の人物でもある。

 トムジャノビッチの最大の功績は1990年代にロケッツを2連覇に導いたことだろう。HC就任3年目の93-94シーズン、大黒柱のアキーム・オラジュワンを中心とするリーグ屈指のディフェンス力と、3ポイントを多用したバスケットでフランチャイズ史上初優勝を達成した。

 翌94-95シーズンは得点力不足とケガ人続出に苦しむ中、シーズン途中でヒューストン大でオラジュワンのチームメイトだったクライド・ドレクスラーをトレードで獲得する。オラジュワンとドレクスラーという超強力なスコアリングデュオを手にしたチームは、爆発的なオフェンス力を武器に第6シード(47勝35敗)からプレーオフを勝ち上がり、ファイナルではシャキール・オニールとアンファニー“ペニー”ハーダウェイ擁するオーランド・マジックを下して2連覇。この年トムジャノビッチが発した「チャンピオンのハートを見くびるな」という言葉は、チーム史上有数の名言と言っていいだろう。

 2000年のシドニー・オリンピックでアメリカ代表を金メダルへと導いたルディTは、NBAとオリンピックの両方で頂点に立った史上3人しかいない名将の1人でもある。
 

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