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“バスケの神様”ジョーダンが黒人死亡事件に憤慨「本当に傷つき、ただ純粋に怒っている」

岩崎隼斗

2020.06.03

ジョーダン氏は、「無意味な残虐行為に決して背を向けてはいけない」と力強いメッセージを発信した。(C)Getty Images

 "バスケの神様"マイケル・ジョーダンが、白人警官に押さえつけられて亡くなった黒人男性ジョージ・フロイド氏の事件について、自身の考えをSNSに投稿して話題を呼んでいる。以下は、その全文訳だ。

「深く悲しみ、本当に痛みを感じ、純粋に怒りを感じている。みなさんの痛みや怒り、フラストレーションも分かっています。私は、私たちの国で有色人種に向けられた人種差別と暴力を引き起こした人たちに立ち向かいます。(こんなことは)もうたくさんだ。

 私には差別を解決する答えがありません。しかし、私たち集団の声には力があり、何者にも分断することはできません。私たちはお互いに耳を傾け、思いやりと共感を示し、無意味な残虐行為に決して背を向けてはいけないのです。

 私たちは不正な行いに対して、平和的な方法で説明責任を求める必要があります。私たちの声で、この国の法律を変えるため指導者に促しましょう。もしくは、投票によって大きくシステムを変えましょう。私たち一人一人が、解決のために一端を担う必要があり、すべての人が正しく守られるために協力しなければなりません。

 ジョージ・フロイド氏の家族、そして人種差別と不正な行いによって残忍かつ無意味に命を奪われた数え切れない人々に、私は哀悼の意を表します」
 
 フロイド氏の亡くなった時の映像は、あまりにも悲惨だった。一人の白人警察官が、無抵抗なフロイド氏の首にヒザを押し当てながら身体の自由を奪う。フロイド氏が「息ができない」ともがき苦しみ、助けを求めてもその行為は続く。"拘束"が終わったのは、フロイド氏の反応がなくなってからしばらくして、救急車に搬送される時だった。この時、すでにフロイド氏の脈拍はなく、搬入された病院でフロイド氏は死亡を宣告されたという。

 事件後、関わったとされる計4名の警察官は解雇処分となり、当該警察官は第3級殺人(殺害の意図なしに、著しく危険な行為で死に至らしめた時に適用され、25年以下の禁固刑となる)他、過失致死罪などで起訴されているが、現在のアメリカはこの悲劇に対する抗議活動が民間だけでなく、さまざまな著名人にまで波及。暴徒化する市民も続発し、機動隊が導入される事態にまで発展した。

「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事)」と呼ばれる抗議運動は現在、アメリカにとどまらず世界中で行われており、黒人に限らず白人を含めた多様な人種が参加している。

文●岩崎隼斗

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