NBA

「15年以内に史上最高の選手になりたい」大型司令塔ラメロ・ボールはペニーを超える逸材?

ダンクシュート編集部

2020.07.29

今年のドラフトでは最高の司令塔と言われるラメロ。その体格から90年代に一世を風靡したペニーと比較する声も聞かれる。(C)Getty Images

 今年のNBAドラフトは、新型コロナウイルスの感染拡大でリーグ戦が4か月以上中断した影響により、10月16日に開催予定となっている。早くからトップ5指名が確実視され、その行き先が注目されているのがラメロ・ボールだ。その秘めたるポテンシャルが、かつて一世を風靡した大型司令塔の"進化版"だとの評価を受けている。

 ラメロ・ボールは、長男ロンゾ(ニューオリンズ・ペリカンズ)と次男リアンジェロを兄に持つ"ボール三兄弟"の末っ子。歯に衣着せぬ発言で周囲を騒がせる元NFL選手のラバー・ボールが父親であることでも知られる。

 身体能力こそ長男ロンゾ(身長198cm)に及ばないとはいえ、身長201cmでゲームメーカーを務めるラメロは、今年のドラフト候補で最高のポイントガード(PG)の1人とされる。今季はオーストラリア8チーム、ニュージーランド1チームで構成されるNBL(ナショナルバスケットボールリーグ)のイラワラ・ホークスでプレー。卓越したパスセンスと、ステップバック3ポイントも打てる広いシュートレンジを武器に、12試合で平均17.0点、6.8アシスト、7.6リバウンド、1.58スティールとオールラウンドな成績を残し、昨年11月25日のケアンズ・タイパンズ戦では32得点、11リバウンド、13アシストと同リーグ史上最年少でトリプルダブルを達成した。

 今年のドラフトロッタリーは8月25日(日本時間26日)に行なわれるが、今季イースタン・カンファレンス13位(20勝46敗)に終わり、5番目に高い10.5%の確率で1位指名権を獲得できるデトロイト・ピストンズ界隈では、ラメロの指名が期待されている。

 ピストンズ専門メディア『PistonPowered』は、身長201cmで大型ポイントガードという共通点から、元オールスター選手の"ペニー"ことアンファニー・ハーダウェイを引き合いに出してラメロを分析している。
 
 ペニーはヒザのケガに苦しむ前は"マジック・ジョンソン二世"と言われるほど、華麗なパスでアップテンポな攻撃を演出し、平均20点以上が可能なスコアリング能力、ミスマッチを生かしてポストアップもこなすパワフルさや器用さを兼ね備えていた。ゲームメーカーとしての能力はラメロも負けておらず、「ラメロのビジョンの広さは彼の年齢(今年19歳)において規格外。オープンの選手を見つけ、相手が守るのが難しいパスを通せる」と評価を受けた。

 ペニーは全盛期のオーランド・マジック時代にシャキール・オニールという怪物センターがチームメイトにいたのを差し引いても、リバウンド面はすでにラメロが優勢。「リバウンドを取って速攻を繰り出せるポイントガードは攻撃に優位な点をもたらせる」と、大きな武器のひとつとして認定されている。

 ラメロの課題はフィールドゴール成功率37.5%にとどまるシュートの安定性だ。ただ、まだ18歳で改善の余地は十分にある。1990年代と現代ではリーグ全体のプレー傾向が異なるが、「ラメロは成熟するにつれて優れたシューターになる。1990年代に3ポイントは現代ほど普及していなかったが、最終的にペニーを上回るレベルになるはずだ」と予測。そして、総合評価として「ラメロ・ボールはペニー・ハーダウェイ2.0」と"進化版"の太鼓判を押した。

「15年以内にバスケットボール史上最高の選手になりたい」

 今年5月に大きな野望を掲げたラメロ。指名されるチームとともに、名手ペニーを超える大型PGとして名を刻めるのか大いに注目が集まる。

構成●ダンクシュート編集部

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