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NBA

ピッペンが低迷する古巣に“愛のムチ”「今のシカゴはフリーエージェントで行く場所ではない」

ダンクシュート編集部

2020.08.12

90年代にピッペン(左)とジョーダン(右)を中心に黄金期を築いたブルズだが、近年は下位に低迷。今季もカンファレンス11位でシーズンを終えた。(C)REUTERS/AFLO

90年代にピッペン(左)とジョーダン(右)を中心に黄金期を築いたブルズだが、近年は下位に低迷。今季もカンファレンス11位でシーズンを終えた。(C)REUTERS/AFLO

 シカゴ・ブルズと言えば、1990年代にマイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペンの強力デュオを中心に2度の3連覇(91~93年、96~98年)を成し遂げ、王朝を築いた実績あるフランチャイズだ。

 しかし、今季を含め過去3シーズンは勝率5割を大きく下回るなど、転換期を迎えている。かつての栄光を知るOBのピッペンは、古巣に“愛のムチ”を叩き入れている。

 ブルズは1984年のドラフト1巡目3位でジョーダンを指名し、チームの中心選手に据えた。当時はまだ優勝を狙えるようなチームではなかったが、87年のドラフト1巡目10位指名でホーレス・グラント、さらにはシアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)が同5位で指名したピッペンをトレードで獲得。徐々にチームの基盤を固め、“バッドボーイズ”ことデトロイト・ピストンズの壁を乗り越えて91年に初優勝を果たし、93年まで史上3チーム目の3連覇を果たした。

 93年7月にジョーダンが現役引退を電撃表明し、王朝は一時解体となったが、ジョーダンが95年3月に最初の現役復帰を決断。同シーズンはカンファレンス準決勝でオーランド・マジックの前に涙を呑んだが、悪童デニス・ロッドマンを加えた95-96シーズンから絶妙なケミストリーで再び3連覇を果たした。
 
 ジョーダン、ピッペン、ロッドマンの三銃士を含めて、3連覇の優勝メンバーが解体後は長らく低迷。2008年にドラフト1位指名でデリック・ローズを指名し、このスピードスターを軸に2010-11シーズンにはカンファレンス決勝まで勝ち進んだものの、エースが12年に左ヒザ前十字靭帯断裂の重傷を負うと、チーム成績も伸び悩んだ。

 現在は17年にトレードで加入したザック・ラビーンがエースとなり、今季も平均25.5点をあげたが、カンファレンス11位(22勝43敗)と3年連続の負け越しでシーズンを終えた。

 黄金期の面影は完全に消え、転換期を迎えているブルズに対し、『Tiki and Tierney』に出演したOBのピッペンはドラフトの重要性を説いている。

「ドラフトを通じて上手く再建しないといけない。ブルズの過去の成功はドラフトによってもたらされたと思う。私、マイケル、ホーレス・グラント……。優勝したシカゴのオリジナルメンバーの多くはドラフトを経由している。シカゴはドラフトを通して正しい才能を見つけるべきだ。今のシカゴはフリーエージェント(FA)で行く場所ではないように見える。FAでは再建が進んでいないから、そういう事態は期待していない」
 

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