NBA

勝率7割超えのスティーブ・カーHCがコーチとして味わった”最大のチャレンジ”を回顧

秋山裕之

2020.09.17

カーは、ウォリアーズの指揮官として15、17、18年と3度の優勝を味わった。(C)Getty Images

 現在ゴールデンステイト・ウォリアーズでヘッドコーチ(HC)を務めるスティーブ・カーは、現役時代にシカゴ・ブルズでマイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペン、デニス・ロッドマンらとともに3連覇(1996~98年)を達成し、その後移籍したサンアントニオ・スパーズで2度(99、2003年)の優勝を経験した。

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 2014-15シーズンから就任したウォリアーズの指揮官としても、カーは15、17、18年と3度の優勝を味わい、昨季まで5年連続でNBAファイナルへと導いた。

 今季こそリーグワーストの15勝50敗(勝率23.1%)に終わったものの、ここまでの6シーズンでカーが残した戦績は337勝138敗で歴代2位の勝率70.9%、プレーオフでは77勝28敗で歴代1位となる勝率73.3%を残している。
 
 そんななか、先日行なわれた『Men In Blazers』のインタビューに応じたカーは、ウォリアーズの指揮官として経験した最大のチャレンジについて明かした。それは就任初年度に優勝した後に迎えた15-16シーズンだったという。

「すべてのチーム、すべてのコーチがチャンピオンシップを勝ち取った後に立ち向かってきた。そうした中で、どうやってこの旅路を再びスタート地点から始めてエナジーを見つけ出すことができるか? (頂点に達したのに)再び山の麓から始めなければならず、またそこから登っていくんだ。これまでとは大きく異なるものだった」

 このシーズン序盤、カーは背中の手術をしたことでチームに合流できず、当時アシスタントコーチだったルーク・ウォルトン(現サクラメント・キングスHC)が暫定HCとして指揮を執り、NBA新記録の開幕24連勝を達成。その後もカーが1月中旬に復帰するまでも勝ち続け、39勝4敗という驚異的な成績を記録した。

 カーがHCに復帰後もステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンを中心に白星を量産し、終わってみればNBA新記録のレギュラーシーズン73勝9敗(勝率89.0%)を樹立。

 16年のプレーオフ。ウォリアーズはカンファレンス・ファイナルでオクラホマシティ・サンダー相手に1勝3敗と崖っぷちに陥り、そこから3連勝でファイナルまで勝ち上がった。だが頂上決戦では第4戦を終えた時点で3勝1敗と2連覇へ王手をかけたものの、そこからクリーブランド・キャバリアーズにまさかの3連敗を喫し、最終戦で涙を呑んだ。