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【名作シューズ列伝】ハーデン初のシグネチャー「adidas Crazy X-HOME (VOL.1)」。BOXにはマニア心をくすぐる要素が満載!

西塚克之

2020.09.22

2018年、ハーデンは平均30.8点、8.8アシストを叩き出し初のMVPに輝いた。(C)Getty Images

 人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり! 

 日本が昭和から平成に変わった夏。1989年8月26日、カリフォルニア州ロサンゼルスにジェームズ・ハーデンは生を受けました。

 高校時代に2年連続でチームを州のタイトルに導いたハーデンは、アリゾナ州大に進学します。2年時に平均20.6点、5.6リバウンド、4.2アシスト、1.7スティールで得点王とスティール王の二冠を達成。その活躍からスポーツイラストレイテッド誌の表紙を飾り、「Die Harden Fan(Diehard Fanのアナグラム)」といった造語が作られるなど、話題を提供してきた万能ガードは、プロ入りを決意します。

 2009年のドラフトでは1巡目3位でオクラホマシティ・サンダーに指名され入団。シアトルからオクラホマシティに本拠地を移したチームの最初の指名選手として名を刻みました。

 3年目にシックスマン賞を獲得したハーデンですが、チームではケビン・デュラント、ラッセル・ウエストブルックに次ぐ3番手に過ぎませんでした。しかし2012−13シーズンにヒューストン・ロケッツに移籍すると、開幕戦から37得点を奪いブレイク。移籍初年度からオールスターにも選ばれ、一気に評価を高めていきます。
 
 プロ入り当初はNIKEのモデルを着用していたものの、adidasがハーデンに目をつけ、2015年に13年総額2億ドルで契約。シグネチャー誕生の足がかりを掴みます。

 その後もハーデンの勢いは止まらず、2018年1月30日のオーランド・マジック戦で60得点、10リバウンド、11アシストをマーク。60得点以上のトリプルダブル達成はNBA史上初の快挙でした。



 リーグ初の偉業を成し遂げたハーデンの足元を支えたのが、今回紹介する初のシグネチャー「adidas Crazy X(通称:Harden-VOL.1)」です(記録達成時のカラーはグレー×レッド)。



 シュータンにはハーデンのオリジナルロゴ。トゥの内側にはサインが記されており、彼のシグネチャーであることを示しています。

「エンジニアドニットアッパー」は通気性に秀で、それでいて高いフィット感と柔軟性を実現。ミッドソールにはadidasイチオシの「BOOSTフォーム」が抜群のクッション性と反発力を発揮します。



 さらに、「ラバーアウトソール」はフィボナッチ数列(オーム貝やひまわりなど、ふたつ前の項とひとつ前の項を足し合わせていくことでできる数列)から着想を得ており、強力なグリップ力でコートに美しい軌跡を描きます。