NBA

【名作シューズ列伝】LI-NINGはシューズよりBOXに全力投球?ウェイドの初代モデル「WAY OF WADE」

西塚克之

2020.10.14

ウェイドは2013年にリーニンと契約。2018年には同ブランドと生涯契約を結んでおり、引退後もシグネチャーがリリースされている。(C)Getty Images

 人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり! 

 NBAの2019-20シーズンがついに幕を閉じました。ファイナルはロサンゼルス・レイカーズとマイアミ・ヒートが激突し4勝2敗でレイカーズが勝利。"キング"レブロン・ジェームスが4度目のファイナルMVPを獲得しました。

 戦前の予想では、タレントに勝るレイカーズが有利と言われ、結果的にその通りになりました。ただジミー・バトラーを中心に、第5シードからファイナルまで勝ち上がったヒートの戦いぶりも見事でした。

 そこで今回はヒートの奮闘に敬意を表し、チームのレジェンドであるドウェイン・ウェイドのシグネチャーを紹介します。

 イリノイ州シカゴ出身のウェイドは、高校3年時に身長が10㎝も伸び、頭角を現わします。大学はマーケット大に進学すると、2003年のNCAAトーナメントでは、優勝候補の一角に挙げられていたケンタッキー大相手に29得点、11リバウンド、11アシストの大活躍。チームはファイナル4まで勝ち進み、ウェイドはオールアメリカン1stチームに選ばれました。
 
 一気に知名度を高めたウェイドは、同年のドラフト5位でヒートに入団(1位はレブロン)。ルーキーイヤーから平均16.2点を叩き出すと、2年目には早くもチームのエースに。2006年にはヒートを球団初のチャンピオンに導き、ファイナルMVPに輝きました。

 そして2010年には同期のレブロン、クリス・ボッシュと"スリーキングス"を結成。彼らとの破壊力抜群のプレーでリーグを支配し12、13年に連覇を成し遂げました。

 ウェイドはプロ入り当初はコンバース、キャリア中期はジョーダン・ブランドと契約しており、それぞれシグネチャーもリリースしていました。しかし2013年10月、突如中国のLI-NING(リーニン)との電撃契約を発表します。



 初代モデルの「WAY OF WADE」(写真)は、典型的なオールドスクール。アッパーは分厚いレザーで重量感があり、1990年代のバッシュと錯覚するほど。前年に着用していた「JORDAN FLY WADE 2」のアッパー素材は軽量性に長けたフライワイヤーを使用していただけに、ウェイド自身もその重さに驚いたはずです。