ゲイリー・ペイトンは、“史上最高のプレーヤー”の議論で常に名前が挙がるマイケル・ジョーダン、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)の両方と対戦経験を持つ数少ない選手だ。彼の最大の武器は、“ザ・グローブ”の異名を取った鉄壁の守備だが、どのように稀代のスコアラーたちとマッチアップしていたのか、カラクリを明かしている。
ペイトンはジョーダンがシカゴ・ブルズで1991~93年、96~98年と2度の3連覇を果たした全盛期、ワシントン・ウィザーズで2度目の現役復帰を果たした晩年とキャリアの大半を知り尽くしている。そのなかで、1996年にスティール王と最優秀守備選手賞に輝き、94年からは9年連続でオールディフェンシブ1stチームにも選出された職人は、対ジョーダンのポイントを『House of Highlights』のインタビューで語った。
「最もシュート確率の高い、得意なスウィートスポットでマイケルにボールを持たせなければ、彼は動いて、多くのエネルギーを消費しなければいけない。彼がよりエネルギーを注ぎ込んで来たら、逆側(正面)に回って、彼に俺を守らせるような形にする。フィル・ジャクソン(ヘッドコーチ)はすぐにそれに気づいて、(スコッティ)ピッペンを使ってきたけど、俺は常に前(正面)のポジションについて、ハードに動くように仕向けた。マイケルのような偉大な選手は、ただただ戦い続ける。俺もバトルは好きだったから、どんどん激しくなって、彼は疲弊していくんだ」
サイズはジョーダンのほうが6cm高かったが、ペイトンはポストアップしようとするジョーダンの正面に回って執拗なマークを続け、スタミナを消耗させていたという。96年のNBAファイナルではジョーダン、ピッペン、デニス・ロッドマンの三銃士を擁するブルズに敗れたが、ペイトンは間違いなくマッチアップでジョーダンに手を焼かせた選手の1人だった。
2003年のドラフト全体1位で加入したレブロンとは10cm以上の身長差があった。ただその分は“運動量”でカバーし、相手の思い通りにプレーさせないように心掛けていたという。
「レブロンには好きなことをさせちゃいけない。常に動いてマークするんだ。突然ドライブしても、俺はまだ目の前にいて、上下左右にスライドする。彼から自由を奪うんだ。彼は再び仕掛けてシュートを打ったけど、その時はエアボールだった」
一方で、ペイトンが得意とするトラッシュトークも通じず、「対戦が嫌だった」「何も言い返してこないからゾンビのようだった」と過去に話していた名司令塔ジョン・ストックトンは、やはり難しい相手の1人だったようだ。
「ジョン・ストックトンは試合の95%の時間でボールを持っていたから、コート上のあらゆるエリアで守らないといけない。もしマークに張りついても、彼は離れてバスケットを奪いにいく。スタッツを見ると、彼は26得点、15アシスト、6リバウンド、4~5スティールを記録している。そんな選手を毎試合打ち負かすのは難しいし、守るのもハードだ。しかも、ストックトンは出場34分間ほどでこれだけ効率良く結果を残しているからね」
ペイトンはライバルたちとの対戦に思いを馳せながら、名ディフェンダーとしての矜持を示していた。
構成●ダンクシュート編集部
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ペイトンはジョーダンがシカゴ・ブルズで1991~93年、96~98年と2度の3連覇を果たした全盛期、ワシントン・ウィザーズで2度目の現役復帰を果たした晩年とキャリアの大半を知り尽くしている。そのなかで、1996年にスティール王と最優秀守備選手賞に輝き、94年からは9年連続でオールディフェンシブ1stチームにも選出された職人は、対ジョーダンのポイントを『House of Highlights』のインタビューで語った。
「最もシュート確率の高い、得意なスウィートスポットでマイケルにボールを持たせなければ、彼は動いて、多くのエネルギーを消費しなければいけない。彼がよりエネルギーを注ぎ込んで来たら、逆側(正面)に回って、彼に俺を守らせるような形にする。フィル・ジャクソン(ヘッドコーチ)はすぐにそれに気づいて、(スコッティ)ピッペンを使ってきたけど、俺は常に前(正面)のポジションについて、ハードに動くように仕向けた。マイケルのような偉大な選手は、ただただ戦い続ける。俺もバトルは好きだったから、どんどん激しくなって、彼は疲弊していくんだ」
サイズはジョーダンのほうが6cm高かったが、ペイトンはポストアップしようとするジョーダンの正面に回って執拗なマークを続け、スタミナを消耗させていたという。96年のNBAファイナルではジョーダン、ピッペン、デニス・ロッドマンの三銃士を擁するブルズに敗れたが、ペイトンは間違いなくマッチアップでジョーダンに手を焼かせた選手の1人だった。
2003年のドラフト全体1位で加入したレブロンとは10cm以上の身長差があった。ただその分は“運動量”でカバーし、相手の思い通りにプレーさせないように心掛けていたという。
「レブロンには好きなことをさせちゃいけない。常に動いてマークするんだ。突然ドライブしても、俺はまだ目の前にいて、上下左右にスライドする。彼から自由を奪うんだ。彼は再び仕掛けてシュートを打ったけど、その時はエアボールだった」
一方で、ペイトンが得意とするトラッシュトークも通じず、「対戦が嫌だった」「何も言い返してこないからゾンビのようだった」と過去に話していた名司令塔ジョン・ストックトンは、やはり難しい相手の1人だったようだ。
「ジョン・ストックトンは試合の95%の時間でボールを持っていたから、コート上のあらゆるエリアで守らないといけない。もしマークに張りついても、彼は離れてバスケットを奪いにいく。スタッツを見ると、彼は26得点、15アシスト、6リバウンド、4~5スティールを記録している。そんな選手を毎試合打ち負かすのは難しいし、守るのもハードだ。しかも、ストックトンは出場34分間ほどでこれだけ効率良く結果を残しているからね」
ペイトンはライバルたちとの対戦に思いを馳せながら、名ディフェンダーとしての矜持を示していた。
構成●ダンクシュート編集部
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