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NBA

「マイケルにとって裏目に出た」ピッペンが“神様”ジョーダンの『ザ・ラストダンス』に批判的な見解

ダンクシュート編集部

2020.12.11

『ザ・ラストダンス』の内容についてピッペンは「あまり満足していない」と語り、それに対してジョーダンは『君は正しい』と言ったという(C)Getty Images

『ザ・ラストダンス』の内容についてピッペンは「あまり満足していない」と語り、それに対してジョーダンは『君は正しい』と言ったという(C)Getty Images

 マイケル・ジョーダンとスコッティ・ピッペンは、言わずと知れたNBA史上最高級のデュオだ。シカゴ・ブルズで計9年半共闘し、1991~93年、96~98年にそれぞれ3連覇を達成。ともにバスケットボール殿堂入りも果たしている。まさに“師弟関係”にあった2人だが、ピッペンは今年4月から5週にわたって放映されたドキュメンタリー『ザ・ラストダンス』を巡り、ジョーダンに批判的な見解を述べた。

 ピッペンが1987年のドラフト1巡目5位でシアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)に指名された後、ブルズへとトレードされたことで邂逅した2人。しかし、当時すでにスーパースターだったジョーダンは圧倒的な個人技で攻め込む“ワンマン”スタイルで、すぐデュオとしてリーグを席巻したわけではなかった。

 コンビの絆が深まったのは、“バットボーイズ”の異名を取った当時のデトロイト・ピストンズに“ジョーダン・ルール”と呼ばれた反則まがいの守備で徹底的に封じ込まれ、1988年から3年連続でプレーオフの直接対決で涙を呑んで以降だ。ジョーダンはピッペンを含めて周囲を信頼するようになり、フィル・ジャクソン・ヘッドコーチが標榜する「トライアングル・オフェンス」を取り入れて、91年から3連覇を成し遂げた。

 1年半の引退期間を挟み、ジョーダンが現役復帰を果たした翌年から再び3連覇を達成することになるが、最後に優勝した1997-98シーズンはピッペンが開幕前に足の手術に踏み切って約3か月欠場。その結果、ブルズは序盤戦で大いに苦しんだ。
 
 これは1991年に7年総額1800万ドル(現在のレートで約18億8000万円)で長期契約を結んでいたピッペンが、ジョーダンに次ぐ実力を誇っていたにもかかわらず、97-98シーズンの年俸がリーグ122番目の260万ドル(約2億7000万円)という低評価に不満を抱えて手術を遅らせたことが大きく影響した。『ザ・ラストダンス』内でジョーダンは、「スコッティは利己的だった」と発言して話題を呼んだ。

 ドキュメンタリー放送終了から約7か月が経過した12月上旬、ピッペンは英紙『ガーディアン』のインタビューに登場。長年コンビを組んだジョーダンについて「私たちは一緒に成長し、支え合ってきた。コート上でのリスペクト、競争心が私たちをトップの座へと導いた。特別だったよ。支配的でなければならなかったしね」と改めて特別な存在だと語った。

 しかし一方で、「『ザ・ラストダンス』はどれくらい正確に現実を描写しているか」との問いには少々辛辣なコメントを残している。

「バスケットボールにおける最も偉大な時代のひとつというだけでなく、2人の偉大なプレーヤーによって成し遂げられたことを示すという意味では正確ではなかったと思う。(そのうちの)1人を差し置いて、史上最高のチームと言っているからね。マイケルは道徳的、精神的、知的レベルを高め、自分を美化しようとしているのではないかと思った。彼がどんなパーソナリティの持ち主かを垣間見る機会があったという点でも、少し裏目に出たと思う」
 

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