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NBA

故郷で“コビー・ショー”が開演!32得点の爆発でチームを勝利に導く【コビー・ブライアント名勝負:Part.2】

ダンクシュート編集部

2021.01.24

第2クォーターに10連続を含む16得点の集中砲火。ディフェンダーをあざ笑うかのように次々とシュートを沈め、シクサーズファンを黙らせた。(C)Getty Images

第2クォーターに10連続を含む16得点の集中砲火。ディフェンダーをあざ笑うかのように次々とシュートを沈め、シクサーズファンを黙らせた。(C)Getty Images

 2020年1月26日、世界中に衝撃を与えたロサンゼルス・レイカーズのレジェンド、コビー・ブライアントの事故死。あれから約1年……。コビーの肉体は滅びたが、その勇姿はファンの心に永遠に刻み付けられている。ここでは彼の20年の激闘譜のなかから、後世に語り継ぐべき名勝負を紹介する。

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■2001年6月10日 vsフィラデルフィア・セブンティシクサーズ(NBAファイナル)

 ホームでの第1戦でシクサーズに敗れ、1勝1敗で迎えた第3戦、コビーは故郷のフィラデルフィアに凱旋。通っていたローワー・メリオン高からわずか9マイル(約14.5㎞)の距離に位置するファースト・ユニオン・センター(現ウェルズ・ファーゴ・センター)で圧巻のプレーを見せた。

 コビーがボールを持てばブーイングが飛び、ミスを犯せば会場が大きく沸くなか、同期でライバルのアレン・アイバーソン越しにフェイダウェイを決めてこの日初得点をマークすると、第2クォーターに〝コビー・ショー〞が開演する。

 マッチアップがルーキーのラジャ・ベルに変わったと見るや、攻撃のギアをトップに入れる。右45度からミドルジャンパーを成功させると、次々とストップジャンパーをねじ込む。アイバーソンが連続でショットミスしたのとは対照的に、味方のスクリーンを上手く使いながら10連続得点。相棒シャックとのパス交換からレイアップ、アーロン・マッキーのハードマークの上からロングジャンパー、さらにはインサイドでも複数人のマークをかいくぐってネットを揺らし、同クォーターだけで16得点(FG11本中8本成功)を奪った。
 
 55-45とリードをもたらし、ハーフタイムにレポーターから「ゾーンに入っていますね」と問われたコビーは、「リズムだ。チームメイトが良い仕事をして、スクリーンをかけてくれる。良い感じだよ」と自信に満ち溢れた表情でロッカールームへ向かった。



 第3クォーター序盤、タイロン・ヒルとジュメイン・ジョーンズのダブルチームをかわしてレイアップを成功させたコビー。しかし、立て続けにチャージングを犯したシャックがファウルトラブルに陥ると、流れはシクサーズへ。厳しいマークを受けて徐々にリズムを崩し、同クォーター残り1分には巧みなターンから切れ込んで狙ったダンクもディケンベ・ムトンボにブロックされたが、5点差に詰め寄られた残り25秒にフェイダウェイを沈め、73-66で勝負の最終クォーターへ突入した。

 フリースロー2本を決めて30得点に乗せたコビーは、シャックが残り2分21秒でファウルアウト(30得点、12リバウンド)となった直後、持ち前の勝負強さを発揮。87-85で迎えた同クォーター残り1分17秒、左45度からドライブを仕掛けてマッキーを抜くと、ベルとエリック・スノウのカバーをものともせずにランニングジャンパーをねじ込み、追いすがるシクサーズに大きなダメージを与えた。

 96-91と逃げ切ったこの試合、3ポイント3本を含む15得点をあげたロバート・オリーがヒーローとして脚光を浴びたなか、コビーはコートに立った全18人中ただ1人48 分間フル出場。チームトップの32得点、6リバウンド、3アシスト、2スティールを記録し、シリーズ前の「彼らの心臓をえぐり出す」という発言どおり、シクサーズファンの心を折ってみせた。

文●ダンクシュート編集部
※ダンクシュート『コビー・ブライアント追悼号』原稿に加筆・修正

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