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セス・カリーは兄ステフィンより優れたシューター?父のデルが負けず嫌いの兄弟を比較〈DUNKSHOOT〉

ダンクシュート編集部

2021.03.23

実績では兄ステフィン(左)に及ばないセス(右)だが、通算3ポイント成功率は兄を上回っており、歴代でも2位につけている。(C)Getty Images

 ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)とセス・カリー(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)は、元NBA選手のデル・カリーの息子で、現代のリーグを代表する名シューターだ。3学年上の兄カリーが実績では大きく上回るが、弟セスは「シューターとしては自分が上」だと思っていると、父親が明かしている。

 2009年のドラフト1巡目7位指名でウォリアーズ入りした兄ステフィンは、ルーキーイヤーからレギュラーに定着し、4年目の2012-13シーズンには自身初の平均20点超え。15-16シーズンには得点王(平均30.1点)に輝き、シーズンの3ポイント成功数最多記録(402本)も塗り替えた。リーグ優勝3回、2年連続シーズンMVP、オールNBA選出6回など、リーグ屈指のスーパースターとして君臨している。

 弟セスは、13年にドラフト外でNBA入りを果たしたが、解雇や10日間契約続きとキャリア当初は活躍の場を手にできず。16年のサマーリーグで得点王(平均24.4点)に輝き、サクラメント・キングスとの契約を勝ち取った。その後、ダラス・マーベリックスで成績を伸ばし、ポートランド・トレイルブレイザーズ、マブズ復帰を経て、今季からシクサーズでスターターとして立場を確立するなど、30歳にして自己最高級のシーズンを過ごしている。

 そんな名手2人の父親であるデル・カリーが、『The Rex Chapman show』に出演。「いつステフとセスがNBAでプレーできると思った?」との質問に対し、エピソードを交えて答えている。
 
「ステフがデイビッドソン大の2年生の時に(NCAAトーナメントで)エリート8まで勝ち上がる快進撃を見せて、NBAでやれると思った。『お前はトッププレーヤーになる。ドラフトでもトップピックになれる』と言ったよ」

 ただ、父によれば、弟セスも"兄ができるなら自分も!"という考えを持っていたという。

「セスは『ステフができることは、自分もできる。何言ってんだ?』というメンタリティの持ち主だ。『俺はかつて家の裏庭でステフを叩きのめしていたんだから』。それがセスの考えだ。彼はきっと言うだろう。『俺はステフよりも優れたシューターだ。彼は純粋にシュート数が多いだけだ。彼は自由が与えられ、より長くボールを持っている。みんなは彼にすべてをさせるからね。現時点で俺のほうがシューターとして上だ』。それがセスの常に思っていることさ」

 実際、通算平均得点(ステフ:23.8点/セス:10.4点)、通算3ポイント成功数(ステフ:2677本/セス:513本)など、ほとんどのスタッツや実績では兄ステフがはるかに上回るが、通算3ポイント成功率では歴代2位の44.2%を誇る弟セスに軍配が上がる(ステフは同7位の43.3%)。負けず嫌いのメンタリティは、NBA入りも大きく後押ししたとデル・カリーは回想する。
 
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父はセスがGリーグで活躍する姿を見て確信