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NBA

「対戦相手全員を憎んでいた」名門デューク大の象徴クリスチャン・レイトナーは、なぜ大学バスケ界最大の悪役となったか【前編】〈DUNKSHOOT〉

アイラ・ウィンダーマン

2021.03.22

カレッジバスケ界最大の悪役として名高いレイトナー。甘いマスクとは裏腹に、相手選手を憎むほど激しい闘争心を持っていた。(C)Getty Images

カレッジバスケ界最大の悪役として名高いレイトナー。甘いマスクとは裏腹に、相手選手を憎むほど激しい闘争心を持っていた。(C)Getty Images

■強豪大学の象徴として君臨する、カレッジバスケ界最大の悪役

 傲慢と言うべきか、それとも強さの証と言うべきなのか?

 デューク大に対して人々が嫌悪感を抱いている理由は、クリスチャン・レイトナーただ1人の存在によるものなのだろうか?彼にしてみれば、大学在籍当時は礼儀やマナーに構う余裕がないほど必死にプレーしたからこそ、20年以上にわたってNCAAで最も偉大なプレーヤーとして語り継がれるだけの実績を残せたのだろう。

 彼は昔も今も、マイク・シャシェフスキー率いるデューク大ブルーデビルズの顔である。シャシェフスキーがノースカロライナ州ダーラムにあるデューク大のヘッドコーチ(HC)に就任したのはレイトナーが入学する8年前だったが、それまでデューク大が優勝を手にしたことは一度としてなかった。
 
 2015年にデューク大のNCAAトーナメント優勝に貢献し、現在はNBAでプレーするジャスティス・ウィンズロウ(在学期間:2014~15年/以下同)が語る。

「今でもクリスチャンはデュークの顔だよ。それは確かだ。特に上の世代の人たちは、デューク大といえばクリスチャンを連想する。デューク大のプレーを見たら、ケンタッキー大戦で放った“ザ・ショット”や、彼が相手選手の胸を踏みつけた例の事件を思い出すだろう。若い世代はそうでもないけど、上の世代の人たちはそのはずだよ」

 どんなにいい物語にも悪役は必要で、自ら進んでその役割を引き受けてくれる人物が必要になる。それこそが、レイトナーが演じた役割だった。

 ESPNが放映したレイトナーのドキュメンタリー番組でナレーターを務めた俳優のロブ・ロウがかつて『USAトゥディ』紙に語っている。

「クリスチャンはイケメンで非常にタレントに恵まれていた上に、誰に何と言われようと意にも介さなかった。そのせいで嫌われたんじゃないかな。僕にはクリスチャンのような人を許せる部分がある。彼を憎めないという人たちも僕と同じだと思うよ」
 
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