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NBA

「数週間前なら不可能だと…」渡邊雄太の復調に地元ライターが絶賛!“唐突な飛躍”の要因はHCの決断にあり

THE DIGEST編集部

2021.04.12

4月に入って6試合連続で10分以上に出場中の渡邊。攻守で目覚ましい活躍を見せている。(C)Getty Images

4月に入って6試合連続で10分以上に出場中の渡邊。攻守で目覚ましい活躍を見せている。(C)Getty Images

 渡邊雄太の存在感が、再び高まってきている。

 現地時間4月11日、敵地でのニックス戦に臨んだラプターズの渡邊は、第2クォーター途中で投入されると、立て続けに2本の3ポイントをゲット。最終クォーターもスタートから出場すると、自身の仕掛けからレイアップを決め、チームを逆転に導いた。

 その後、再び逆転され、最終的にチームは96-102で敗れたが、個人としては16分の出場で8得点、3リバウンド、3スティールという成績をマーク。3本のスティールはキャリア3年間で自己最多だった。

 印象的な活躍を見せていた1、2月から一転して、3月は出場機会が激減し、ベンチを温める日々が続いた渡邊。しかし、今月に入ってからは6試合連続で10分以上の出場時間を与えられると、10日のキャバリアーズ戦では、23分の出場でキャリアハイの14得点をマークするなどぐんぐん調子を上げている。ここ6試合であげている平均7.5点は、オフェンス面を課題とする渡邊にとって、成長を感じさせる数字だ。

 現地でも渡邊の復調は驚きをもって受け止められているようだ。ラプターズに詳しいライターのマイク・ルシアーノ氏は、スポーツ専門サイト『FANSIDED』に投稿した記事で、同じくここ最近のプレーが光るマラカイ・フリンと並べて渡邊を称賛している。

 同氏は、渡邊が最近まで置かれていた状況は「非常に厳しかった」と振り返り、「たった数週間前なら、この結果は不可能だと思われていただろう」とそのインパクトを綴り、以下のように続けた。

「渡邊のオフェンス面の不安定さは、彼自身のプレー時間を犠牲にし、ニック・ナースHCはローテーションを組み直した。しかし、ケガでカイル・ラウリーやフレッド・ヴァンブリートが、休養でパスカル・シアカムが不在の状況で、フリンとワタナベの台頭は軽視すべきものでないこと、自身の欠点を過去のものとし始めていることを示した」

 この唐突な飛躍の理由として、同氏は2つのポイントを挙げた。1つ目がラプターズの文化、もう1つがナースHCの手腕だ。
 
「ラプターズはタレントの育成に自信を持っており、その文化がここ数試合における成長を助けている」という。ラプターズはかねてから育成に定評のあるチームで、育成リーグ上がりの選手をNBAの舞台で輝かせてきた。

 ドラフト1巡目とはいえ、全体27位という比較的低い評価で入団したシアカムも、3年目にはチームを優勝へ導き、NBA最成長選手賞を獲得。さらに球団最多得点記録を更新したヴァンブリートも、ドラフト外で入団した選手だ。

 ナースHCの方針と手腕も、その良い後押しになっていると指摘されている。

「ナースは今季タイトルを取れないことがわかっており、若手により多くの経験を積ませることを決断した。未熟なタレントを堅実なロールプレイヤーにするナースの手腕は、ワタナベとフリンがNBAで居場所を掴むための助けになっている」

 本契約を目指す渡邊にとって、今がまさに正念場。ここまではそのチャンスをしっかりとものにしていると言っていいだろう。世界最高峰の舞台で奮闘する26歳から、今後も目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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